【駅伝王国福島・全国制覇の軌跡】学生充実!選考ノウハウ自信

 
高校生区間の4区で好走した学法石川高の横田俊吾(左)と3区の阿部弘輝=20日・第3中継所

 「このメンバーなら優勝を争える」。話し合いに話し合いを重ね、出場選手が固まった時、副団長を務めた福島陸協理事長の三浦武彦は確信した。各世代の有力ランナーがそろった今大会。まさに初優勝の絶好の好機だった。

 東京五輪マラソン代表の選考レース「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」出場権獲得のため、今大会は1~3月のマラソン大会に照準を合わせる有力な実業団選手が出場を見合わせた。本県も例外ではなく、4年ぶりに学生だけでチームを組んだ。

 選手の選考は順調に進んだ。中学生は県内から候補選手を集めて練習会を開き、適性を見極めた。その中から昨年の全中3000メートル覇者藤宮歩(大槻中3年)をはじめ、全中出場経験のある3人に絞った。高校生は全国高校駅伝3位の学法石川高勢。「誰が走っても調子が良い」。コーチを務めた同校監督松田和宏が手応えを語るほどの充実ぶりだった。

 大学生ランナーを集める上では本県出身指導者のネットワークが強みとなった。箱根駅伝で戦う5大学(東洋大、駒大、早大、日大、国士舘大)の駅伝監督はいずれも本県出身。今年の箱根で往路優勝に大きく貢献した東洋大のエース相沢晃(学法石川高卒)の出場が決まり、もう一人の阿部弘輝(明大3年、同)とともに盤石な布陣が整った。

 出走予定選手の今季ベストタイムを基に算出した事前のランキングは堂々の1位。本番でも優勝候補本命の重圧をはねのけるたすき渡しで最高の結果をつかみ取った。「昨年もいい選手がそろった。しかし今年は安定感があった」と三浦。その上で「(選手選考は)一からの積み重ねだが、優勝できたことは自信になる」。来年への手応えも口にした。(敬称略)

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