100回目の箱根駅伝...指揮官闘志、福島県出身の監督3氏対決も注目

 
(写真左)史上初となる2季連続の大学駅伝3冠に挑む駒大の藤田敦史監督 ©水上俊介、(右上段)東洋大・酒井監督、(下段)国士舘大・小川監督

 史上初となる2季連続の大学駅伝3冠か、それとも―。区間エントリーが29日に発表され、ますます注目度が高まっている第100回の箱根駅伝(来年1月2、3日)。出場23校のうち3校は福島県出身の監督が指揮を執る。前回王者の駒大を率いる藤田敦史監督(47)=白河市出身=は「優勝」を宣言。東洋大の酒井俊幸監督(47)=石川町出身=は「3位以上」、国士舘大の小川博之監督(45)=いわき市出身=は「シード圏内(10位以上)」を目標に掲げる。3監督とも、選手の力を引き出して最高の成績を残そうと意欲を燃やす。

 ■駒大・藤田監督 今季も3冠へ

 「箱根駅伝で独走するのは簡単ではない。いろいろなことが起こり得る」。駒大は10月の出雲全日本大学選抜駅伝、11月の全日本大学駅伝で1度もトップを譲らず優勝。圧倒的な戦力を誇るが、藤田監督は勝負事が一筋縄ではいかないことを念頭に表情を引き締める。

 今春、大八木弘明総監督(65)=会津若松市出身=の後任として、ヘッドコーチから監督に就任した。「コーチ時代とは見える景色が違う」。指揮官に立場が変わり、戸惑うことや、思い通りにいかないこともあったという。今季の集大成となる箱根駅伝に向けては「この大会が最後となる4年生に良い思いをして卒業してもらいたい」と見据える。

 チームには1万メートルで27分台中盤をマークした3人が所属。区間エントリーでは主将の鈴木芽吹(4年)をエース区間の「花の2区」、1万メートルでU20(20歳未満)の日本記録27分28秒50を持つ佐藤圭汰(2年)を3区に配置し、篠原倖太朗(3年)をレース当日に交代できる補欠に入れた。

 選手の後方を走る運営管理車からどのような声かけで鼓舞するのかも注目される。大八木総監督は「男だろ!」などの熱い激励で知られ、「情熱の部分を一番参考にしている」と藤田監督。「自分がこれまで選手たちを見てきた思いを言葉に乗せたい」と力を込める。

 ■東洋大・酒井監督 チーム再建決意

 東洋大は前回10位で18年連続シード権を獲得したものの、優勝争いに絡めなかった。今季は出雲で8位、全日本で14位に沈み、酒井監督は「下馬評は低いが諦めない」と鉄紺の再建を誓う。

 主将でエースの松山和希(4年、学法石川高卒)は昨季から自転車事故の影響や度重なる故障に苦しんだが、11月のハーフマラソンで1キロ3分ペースを維持できるまでに回復。スピードや持久力のトレーニングも積めるようになった。酒井監督は19日の取材で「2区での起用を考えている」と方針を明かしていたが、区間エントリーで補欠となった。松山は1、2年時に2区を走り、いずれも1時間7分台でそれぞれ区間4位、同5位の実績がある。松山は「本来の走りに近づいている」と状態を明かす。

 ■国士舘大・小川監督 狙うはシード権

 国士舘大の小川監督は就任2年目。「2、3年生を中心に勢いがある。できるだけ10位が見えるような位置でレースを進めたい」と思い描く。昨季は選手育成をテーマに取り組み、今季は自身が研究するスポーツ心理学を生かしながら「どんな舞台でも力を出し切れるようにしたい」と、メンタル強化にも力を入れてきた。

 8年連続出場で、この中の最高成績は22年の15位。指揮官は「うちらしく泥くさい走りで隙あらばシード権を狙う」と意気込む。

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