福島県出身の監督3氏、悔しさと手応え 箱根駅伝

 
「相手が強かった」と結果を受け止める駒大の藤田監督=東京・大手町

 3日の復路で熱戦の幕を閉じた箱根駅伝で、福島県出身監督が率いるチームの総合順位は駒大が2位、東洋大が4位、国士舘大が12位だった。いずれも目標順位にはあと一歩及ばず、3校の監督は悔しさと手応えを語った。

 「相手褒めるしかない」 総合2位、駒大・藤田監督

 「あまりにも強かった相手を褒めるしかない」。史上初となる2季連続の大学駅伝3冠を逃した駒大の藤田敦史監督(白河市出身)は総合優勝した青学大に脱帽した。10時間43~44分台での優勝を見込んでいただけに「(大会新記録の)10時間41分台は想定できなかった」と心境を明かした。

 体調不良やけがを抱える選手はいなかったが、歯車がかみ合わなかった。往路の1~3区に「3本柱」を配置する攻めの采配。しかし、3区で逆転を許し、今季初めて追う展開となったことで、チーム内に動揺が広がった。「自分も油断があったのかもしれない」と悔しさがにじみ出た。

 復路の選手も差を縮めるため序盤からペースを上げる必要があり、本来の実力より記録が伸びなかった。それでも復路2位の結果に「よく頑張った。諦めない気持ちが下級生に伝わってほしい」と力を込めた。

 昨春まで指揮を執った前任の大八木弘明総監督(会津若松市出身)からは「これが箱根の難しさ。一つ一つが勉強だよ」と声をかけられたという。

 駒大は駅伝と同時進行で世界に通用する選手の育成にも取り組んでいる。「スピード強化と、年間を通したスタミナづくりを続けたい」と藤田監督。就任1年目の指揮官はぶれない信念を口にした。

 目標届かずも「及第点」 総合4位、東洋大・酒井監督

 東洋大の酒井俊幸監督(石川町出身)は目標の3位以上に届かなかったが「及第点」と受け入れた。

 能登半島地震を受け、特別な思いで大会に臨んだ。合宿や大会で石川県輪島市を訪れており、つながりが深い。同市の知人から2日朝、「大丈夫だから心配しないで頑張って」と激励の連絡があり「駅伝に出ていいのかという思いもあったが、見てもらっているなら頑張らないといけない」。

 レースでは「11区があるかのように次を見据えた」と選手を鼓舞した。9、10区は区間2位、1位で総合3位の城西大まで21秒差に迫り、諦めない姿勢を被災地に届けるとともに「鉄紺の再建」を印象づけた。

 「力発揮してくれた」 国士舘大・小川監督

 シード権争いを繰り広げた国士舘大の小川博之監督(いわき市出身)は「選手たちが冷静にレースを展開し、一生懸命力を発揮してくれた」とねぎらった。

 シード権をつかめず「読みの甘さやレースの組み立て方も含め、もう一つ上の練習をしないと届かなかった」と課題を挙げた。今後に向け「全体的に練習の質も量も上げたい」と語った。

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