なびく大漁旗でエール、サンシャインマラソン 「感謝」の15回大会

 
地元住民の応援と大漁旗の歓迎を受けて走るランナー=いわき市・江名港

 沿道の応援が節目の15回大会を活気づけた。25日にいわき市で開かれたいわきサンシャインマラソンでは、駆け付けた多くの地域住民やボランティアらが声援などでランナーを後押しした。市民の中には「15回まで開催できたことに感謝したい」と特別な思いを持ってランナーを応援する人の姿もあった。

 江名地区の住民による応援が恒例となっている16・7キロ地点の江名港では、風になびくたくさんの大漁旗がランナーを出迎えた。「県外から多くの人が集まる大会。大会がまちを元気にしてくれる」。大漁旗を準備した江名第2区長の中田昭彦さん(77)は感慨深げに語りながら、ランナーに向けて拍手を送った。

 大会開催当初は応援の形が分からず手探りの状態。「『漁師のまち』だし、大漁旗を掲げよう」と提案があった。「最初に掲げていたのは5枚程度だったと聞いている」と中田さん。回数を重ねていくごとに盛り上がっていく大会とまちの様子を見守ってきた。

 生まれてからずっと江名で過ごしてきた。「この地域は江戸時代からずっと続いてきた家が多くあり、普段から住民が協力して行事などに取り組んでいる。大会はメイン行事の一つ」と大会に懸ける思いを語る。「ランナーが気持ちよく走っている姿を見るとうれしくなる。これからもみんなで大会を支えたい」と力を込めた。

 江名港では地元住民のほか、被災地の支援に取り組み、江名地区と交流を続ける埼玉県の所沢西高などの生徒らがボランティアとして参加し、コースの清掃や大漁旗を振ってランナーを応援した。また、江名中吹奏楽部も息の合った演奏でレースを盛り上げた。

 35キロ地点の日産自動車いわき工場前では、社員約20人が日産のロゴが入ったスティックバルーンを手に「頑張れ」などと声を張り上げ、コース終盤に差しかかった選手を鼓舞した。平田征志工場長は「今年は風も少なく穏やかな気候となって良かった。ランナーの皆さんには最後まで気持ち良く走り切ってほしい」とエールを送った。

 今大会では実行委が医療安全委員会を組織し、救護態勢を強化した。いわき市消防本部も対応職員を増やし、自動体外式除細動器(AED)を装備した職員が各所に配備されるなどランナーの安全を守った。二瓶耕一警防課長は「きめ細やかな対応ができ、効果もあったと思う。これからもできる限り大会を支えたい」と話した。

 本紙が号外配布

 福島民友新聞社は25日、いわきサンシャインマラソンのフィニッシュ地点となった、いわき市の小名浜港アクアマリンパークで大会の熱気を伝えるイベント号外を配布した。

 いわき陸上競技場をスタートするフルマラソン出場選手の写真とともに大会の様子を紹介。参加したランナーや応援に駆け付けた家族らが、号外に次々と手を伸ばしていた。

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