民友マンガ大賞に須賀川の有我秀雄さん マンガ部門テーマは「わが家のアレ」

 
民友マンガ大賞に選ばれた有我さんの「ママ アレ?」

 福島民友新聞社が募集した第40回民友マンガ大賞の入賞作品が決まり、マンガ大賞に会社員有我秀雄さん(69)=須賀川市=の「ママ アレ?」が選ばれた。表彰式は来年2月10日、福島市の福島民友新聞社で行われる。

 日本漫画家協会東北ブロックの後援。今年のテーマはマンガ部門が「わが家のアレ」、絵手紙部門が「辰(たつ)年」で、似顔絵部門は有名人・著名人を対象に作品を募った。

 各部門受賞者(敬称略)

【マンガ大賞】(大トロフィー、賞金10万円)
「ママ アレ?」有我秀雄=須賀川市

【マンガ部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
「我が家のアレ」木野田博彦=さいたま市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
「ボタンちゃんのあれ!?」菅野文哉=川俣町
◇銅賞(盾、賞金1万円)
「家族の願いはひとつ」高山和弘=福島市

【絵手紙部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
「ふるさとの便り」三浦豊=福島市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
「辰(たつ)年」渡辺希心(まこ)=大玉村
◇銅賞(盾、賞金1万円)
「緑のドラゴン」斉藤優空(ゆあ)=桑折町

【似顔絵部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
「布袋寅泰」小堀保憲=東京都練馬区
◇銀賞(盾、賞金2万円)
「石川祐希(バレーボール選手)」永山桃花=いわき市
◇銅賞(盾、賞金1万円)
「イーロン・マスク」大楽祐奈=仙台市

 ふと浮かんだ作品、受賞驚き

 新聞を読むお父さんの背中に飾られた絵の裏から、お金がのぞく。子どもがお金を指さし、お母さんは驚きの表情。今にも登場人物が動き出し、声が聞こえてくるようだ。熟考を重ねたイラストかと思いきや、発案から制作までわずか2日。有我さんは「他にも作品を出していたが、ふっと浮かんだ作品が選ばれ驚いている。楽しんで描いた結果かな」と笑う。

 子どもの頃から暇さえあれば絵を描いていた。手塚治虫さんやちばてつやさんらに憧れ、東京都内の漫画の街・練馬でアシスタントをしながら漫画家を夢見ていたこともある。しかし厳しい世界を目の当たりにし、20代半ばに漫画の世界に区切りを付け、絵を描くことからも遠ざかった。

 約30年前、故郷の須賀川市に帰った時、マンガ大賞が目に入った。「やってみようかな」。10年ぶりに筆を執ると、眠っていた創作意欲が呼び起こされた。1こまでストーリーを表現する難しさと楽しさに魅了され、マンガ大賞の募集を見た年から毎年作品を出すようになった。今ではマンガ大賞が1年を締めくくる恒例行事となっている。

 「せりふを使わずに表現するのは難しいが、それが楽しい」と話す。マンガ大賞をきっかけに漫画やイラストを描く仲間とも出会うこともできた。「仲間と共にマンガ大賞を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。