いわきFC、J1・札幌『撃破』 天皇杯・2回戦、延長5-2

 
【いわきFC―北海道コンサドーレ札幌】延長後半、4点目のゴールを決め、指を突き上げ笑顔を見せるFW菊池将太(9)=21日、札幌市・札幌厚別公園競技場

 サッカーの第97回天皇杯全日本選手権第3日は21日、札幌市・札幌厚別公園競技場などで2回戦32試合が行われた。本県代表で初出場のいわきFC(県社会人リーグ1部)が延長の末、格上のJ1に所属する北海道コンサドーレ札幌を5―2で破り、本県代表として2012(平成24)年の福島ユナイテッドFC以来となる3回戦進出を決めた。

 悪天候の中、互いに決め手を欠き0―0で迎えた後半31分、いわきは相手のクリアミスからのオウンゴールで先制。終了間際に追い付かれたが、ロスタイムにMF金大生のゴールで2―1と勝ち越した。

 その後、札幌に再び追い付かれて延長戦に突入。延長前半8分、ハンドで得たPKをFW平岡将豪が落ち着いて決め、3度目のリード。いわきの運動量は延長後半に入っても衰えず、FWの菊池将太、小野瀬恵亮が続けてネットを揺らし2点を追加。フィジカルで札幌を圧倒した。

 3回戦は7月12日に行われ、いわきはJ1の清水エスパルスと対戦する。試合会場は未定。

 試合終盤に『真骨頂』

 死闘を終え、大金星を手にしたいわきFCイレブンは、北の大地で両手を高く突き上げた。「こんな展開になるなんて思わなかった。サッカー人生で初めて」。県社会人リーグ1部が、J1を破る"番狂わせ"は、高みを目指し、愚直にトレーニングを重ねるイレブンが自ら引き出した結果だった。

 延長戦で得たPKをFW平岡将豪が決め、待望の決勝点を奪うとチームメートらと抱き合い、喜びを分かち合った。本格始動の2年目でJ1北海道コンサドーレ札幌を相手に、勝ち取った結果に選手たちは確かな手応えと自信をつかんだ。

 札幌の元日本代表MF小野伸二にボールを集められ、守りしのぐ時間が続いた前半。しかし、時間が経過するにつれ、いわきの真骨頂が現れた。「延長になればなんとかなる」。延長戦も走り続けるいわきに対し、札幌は足が止まった。平岡は、チームが掲げる敵陣内でプレーする攻撃的なサッカー「いわきFCスタイル」がJ1チームにも通用すると確信。普段、サッカーの練習後に、物流倉庫で荷物の仕分け作業などをしているアマチュアたちが、プロを凌駕(りょうが)した。