いわきFC連覇、福島U反撃及ばず サッカー天皇杯県代表決定戦

 
スタンドのサポーターと天皇杯出場を喜ぶいわきFCイレブン=13日午後、とうほう・みんなのスタジアム

 サッカーの第23回県選手権大会・天皇杯JFA第98回全日本選手権県代表決定戦は13日、福島市のとうほう・みんなのスタジアムで決勝が行われ、いわきFC(いわき市、東北社会人リーグ2部南)が特別シードで決勝から登場した福島ユナイテッドFC(J3)に2―1で勝利、大会2連覇で2度目の天皇杯切符を手にした。いわきは今季初タイトル。

 3年連続同一カードとなった試合は、開始直後の前半3分、左サイドを駆け上がったいわきのMF熊川翔のクロスからこぼれたボールをFW小野瀬恵亮が右足で押し込み先制。41分には福島のGK堀田大暉のクリアボールを熊川が左足で決め、リードを広げた。後半にペースを奪った福島は10分にMFニウドがPKを冷静に決めて1点を返したが、追い付けなかった。

 26日に天皇杯初戦

 天皇杯全国大会は26日開幕する。いわきは同日、いわき市のいわきグリーンフィールドで行われる1回戦でソニー仙台FC(宮城県代表)と対戦する。午後1時試合開始予定。

 意地激突!名勝負 本県サッカー界熱く

 3年連続で同じ顔合わせとなった"福島ダービー"は、いわきFCと福島ユナイテッドFCの県ナンバーワンの座を懸けた意地のぶつかり合いとなった。

 「自分たちはチャレンジャーだった。勝ててほっとした」。いわきの田村雄三監督(35)は試合終了後、2年連続の勝利に胸をなで下ろした。いわきは今季、Jリーグチームと公式戦で戦える唯一の大会となる天皇杯本戦出場を一つの目標としてきただけに気合十分。約2400人の観衆を前にチームのスタイル「90分間止まらない、倒れないサッカー」を見せた。田村監督は「相手が100パーセントの力で倒そうとしてきたから盛り上がった。互いに福島を盛り上げていきたい」と今後も両チームで本県サッカーを引っ張るつもりだ。

 福島は決勝前半に2点を失ったものの、後半はいわきの守備をかいくぐり、PKに持ち込むなど一進一退の攻防を繰り広げた。「昨年の敗北を1年間引きずってきた」と田坂和昭監督(46)。いわきとの練習試合を2回行い、分析も重ね、決勝に備えてきた。「後半は自分たちらしいサッカーができたが、選手によって、いわき戦に懸ける思いに温度差があった」とチームの意思統一を図りきれなかったことを悔しがった。