福島県道「吉間田滝根線広瀬工区」が開通 滝根ICを新設

 

 いわき市と小野町を結ぶ県道吉間田滝根線広瀬工区(延長9.2キロ)が13日、開通した。いわき市川前町小白井の県道からあぶくま高原道路小野インターチェンジ(IC)につながり、福島空港とも行き来できる重要路線で、区間内の田村市滝根町には滝根ICが新設された。交通の利便性が高まり、被災地の復興加速や住民の生活環境の改善が期待される。同日、開通式が小野町で行われた。

 県は、同路線を浜通りと中通りをつなぐ「ふくしま復興再生道路」の一つに位置付け、2012年に事業着手、18年に着工した。県道で初めて国の直轄権限代行事業に採択され、国が一般道路6.6キロ、県が自動車専用道路2.6キロを整備した。事業費は約450億円。

 同路線は東側で県道小野富岡線と接続し、川内村の中心部に通じる幹線道路。だが、現道は急カーブや急勾配があり、落石や積雪で通行止めになるなど交通に支障を来していた。開通により、原発事故に伴う避難住民の帰還促進や、公立小野町地方綜合病院などの医療機関へのアクセス向上、浜通りと中通りの交流や物流の活発化が見込まれる。

 式には約150人が出席した。内堀雅雄知事が「安心・安全で、活力に満ちた新生ふくしまの創造に取り組んでいく」とあいさつした。村上昭正小野町長、白石高司田村市長、内田広之いわき市長らが祝辞を述べた。テープカットに続いて通り初めが行われ、関係者が完成を祝った。

テープカット開通を祝ってテープカットする参加者=小野町

 あぶくま高原道路と合流部分は規制続く

 開通後も当面は通行規制があり、あぶくま高原道路小野ICから入って西側の平田IC方面へ合流することはできない。合流車線部分に段差が見つかったためで、規制の解除時期は未定。

 通行を規制するのは合流部分のみで、小野ICを通過することはできる。県はあぶくま高原道路で矢吹方面へ向かう場合、小野ICの代わりに平田ICか、県道吉間田滝根線の滝根ICの利用を呼びかけている。