富岡「福島再生塾」が始動 早大、創造的復興の調査研究へ

 
「福島再生塾」の開塾式=富岡町

 早稲田大ふくしま浜通り未来創造リサーチセンターは13日、富岡町で「福島再生塾」の開塾式を行った。原子力災害・複合災害からの創造的復興の理論と方法を調査研究し、新たな地域再生モデル「福島モデル」や福島復興のメッセージの世界発信を目指す。

 早大は2017年、広野町と連携し、復興と廃炉について調査・研究する同リサーチセンターを開所。22年からは、ふたば未来学園中・高と連携して東京電力福島第1原発の廃炉に関する「1F地域塾」を開設し、立場や世代、分野を超えた対話の場をつくってきた。

 福島再生塾は、富岡町や建設コンサルタント・測量設計の「ふたば」(同町)と連携し、長期的・広域的な観点から創造的復興について考え、1F地域塾と両輪となって復興と廃炉の両立につなげる。

 式には関係者約60人が出席した。山本育男富岡町長が「復興の加速に期待する」と語り、遠藤智広野町長が「元気な福島を発信しよう」と述べた。ふたばの遠藤秀文社長が「課題の最適解を見つけ、日本や世界の教科書にしよう」と話し、小野田弘士早大大学院環境・エネルギー研究科長が「地域と一緒に福島再生塾を進めていく」とあいさつした。

 塾長を務める松岡俊二早大大学院アジア太平洋研究科教授が福島再生塾の目標について講演。環境ジャーナリストの崎田裕子さんが「ふくしま浜通り・みんなで未来づくり基金」(仮)創設を提案した。座談会やグループでの対話も行った。