岸田首相に「戒石銘」の拓本 二本松商議所、裏金事件受け寄贈

 
岸田首相(左から4人目)に戒石銘の拓本と石盤を贈った菅野会頭(同3人目)ら=首相官邸(二本松商議所提供)

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、二本松商工会議所の菅野京一会頭らが15日、岸田文雄首相と官邸で面会し、為政者への戒めを説いた二本松市の国指定史跡「旧二本松藩戒石銘碑」の拓本や石盤を贈った。首相は「襟を正し、原点に返って仕事をする」と応じた。同席した党県連の亀岡偉民会長(衆院比例東北)が明らかにした。

 石碑は二本松藩主が藩士に対し「武士の俸給は民が汗して働いた結晶であり、民に感謝し、いたわるべきだ。この気持ちを忘れると、きっと天罰があろう」と戒める内容だ。

 面会は報道陣に非公開で行われた。面会後、福島民友新聞社の取材に応じた菅野会頭は首相に拓本などを手渡したことを報告し「岸田首相には石碑と拓本をぜひ官邸の執務室に置いてほしいと伝えた。今後、政治改革を着実に進めていってほしい」と述べた。安斎文彦、太田英晴、国井文郎各副会頭らが同行した。

 二本松商議所は戒石銘の精神を継承し、公人たる者の規範にしてもらう目的で早ければ6月に、全ての国会議員にも手作業で和紙に刷り込んだ拓本を贈る。