県内企業、定昇で賃上げ6.21%最高水準 連合福島・中間集計

 

 連合福島は24日、今春闘での加盟労働組合の賃上げ要求に対する企業側回答について、中間集計を公表した。定期昇給がある企業の平均賃上げ率は6.21%(前年同期比2.91ポイント増)で、記録が残る2007年以降で最高の水準となっている。定期昇給がない企業の平均賃上げ率は4.78%(同1.53ポイント増)だった。

 沢田精一会長は福島市で記者会見し「連合本部と同様に高い結果。経済も賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へのステージ転換が図られつつある」と述べた。要因として、原材料費や人件費の上昇に伴う価格転嫁が進まない中でも、企業が人への投資や人材確保の観点から高水準の賃上げに踏み切ったとの見方を示した。

 一方、定期昇給の有無にかかわらず、規模が大きい組合に比べ、中小組合は引き上げ率が低かった。定期昇給がある企業では、組合員300人以上の組合が賃上げ率6.39%だったのに対し、300人未満の中小組合は賃上げ率4.28%だった。連合福島は「企業規模間での格差が存在する」とした。

 連合福島によると、22日時点で、賃金改善を要求した164組合のうち98組合が妥結した。7月に最終集計を公表する予定という。