福島市選管「もうミスできない」 緊張高まる参院選期日前投票
期日前投票が始まった参院選。6月の福島市議選の選挙事務で、投票用紙の二重交付などミスが相次いだ同市選管は「もうミスはできない」と緊張感を高めている。
市議選では、投票所に掲示した候補者一覧のふりがなの誤表示、有権者名簿を管理するシステムのエラー、投票用紙の二重交付などミスが連続した。「市民からさまざまな意見が寄せられた。ミスの原因はヒューマンエラーで未然に防げるものばかり。本当に申し訳ない」と市選管の寺内勝宣事務局長(56)は陳謝する。
同市では2014~15年の選挙でミスが相次ぎ、有識者による「市選挙事務改善委員会」が発足し、改善策を提言した。市は職員対象の選挙事務研修やリハーサルの実施などの対策を講じたはずだったが、ミスが発生した。
6月の選挙事務について、改善委員会の委員を務めた有識者から厳しい声があがる。委員長だった伊藤宏之福島大名誉教授(74)は「選挙事務は市の最重要の仕事。市役所全体で反省し、選挙を重みを自覚して信頼回復に取り組んでほしい」と改善の徹底を求めた。
選挙制度実務研究会の小島勇人代表理事(67)は不適切な選挙事務は民主主義の根幹を揺るがすとし「ミス防止は複数人による確認の徹底に尽きる。実務を継承する体制も構築してもらいたい」と訴えた。
木幡浩市長は4日の記者会見で、選管事務への介入は市長として越権行為になると前置きした上で、ミスが相次いだことについて「市として事務改善を進め、適正な処理ができるようにしたい」と述べた。
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