争点は復興支援予算や安倍政権 福島選挙区立候補者アンケート

 

 福島民友新聞社は、参院選(21日投開票)の福島選挙区に立候補した自民党現職で元少子化担当相の森雅子(54)、無所属新人で元県議の水野さち子(57)、政治団体「NHKから国民を守る党」の新人で会社社長の田山雅仁(35)の3候補にアンケートを行い、争点に加え、復興や風評対策、消費税増税、人口減少など県民生活に関わる施策について聞いた。質問した14項目の内容を2回に分けて紹介する。

 【争点】森候補は「復興庁の後継組織に専任の大臣を置き、復興予算を確実に獲得することが最重要」と答え、水野候補は「安倍首相は政権発足後、さまざまな政策を打ち出したが、どれもうまくいっているとは思えない」とその理由を挙げた。田山候補は「中間貯蔵施設が建設されて、住民は永続的に被害をこうむる。金銭的に支えとなる施策を出さなければ報われない」とした。

 3人とも満足せず「十分はない」

 【風評対策】森候補は「どちらともいえない」を選び、水野候補と田山候補は「十分ではない」とした。理由について森候補は「風評対策に十分はない。これまでも多額の予算を投入し、福島スペシャル予算で調査もした」と記入。水野候補は「安倍政権はよく『国が先頭に立つ』と言っているが、今以上に注力してほしい」、田山候補は「全国の商品全てに放射線量の測定を義務化するべきだ。公平に実施すれば福島の安全性が保証される」と答えた。

 「どちらでもない」2人、再エネ転換へ「賛成」1人

 【原発即時ゼロ】森候補と田山候補は「どちらでもない」、水野候補は「賛成」を選んだ。
 森候補は理由を記入していない。水野候補は「即時は難しいかもしれないが、できるだけ早期に再生可能エネルギーに転換していくことが大切」と回答、田山候補は「必要エネルギーが代替えできるのであれば問題なし」とした。

 「賛成」1人「反対」2人

 【消費税増税】森候補は「賛成」、水野候補と田山候補は「反対」に丸をつけた。
 森候補は「幼児教育の無償化(3~5歳無料)の財源であり少子高齢化社会を支えるためにやむを得ないし、低所得層への配慮策もある」と答えた。水野候補は「現在の状況において消費税増税には反対。増税の前にさまざまな改革を実行することが必要」と指摘、田山候補は「複雑な減税案を提供しても定着しない。住民税の50%減とかを実行するべきだ」とした。

 「全て重要」2人「地方創生」1人

 【復興施策】森候補、水野候補とも全てが重要だとして「その他」を選択した。森候補は「同時並行的に産業振興、福祉医療などの全政策に加え、教育を進める必要がある」、水野候補は「順番はつけられない。県民が安心して生き生きと暮らすには全てが大事」と回答した。
 「地方創生」を選んだ田山候補は「地方創生にはいろいろな方法があるが、中でも企業誘致と雇用創出が最も大切」とした。

 「評価する」2人

 【イノベ構想】森候補と水野候補は「評価する」とした一方、田山候補は「評価しない」を選択した。
 森候補は「福島県の復興とその先の未来の経済成長のキーとなる」、水野候補は「復興についてはさまざまな問題があるが、一定の評価をしている」と回答した。田山候補は「企業誘致をもっと積極的にしないと何の意味もない」とした。

 与党75点、野党は低評価

 【安倍内閣の評価】森候補は75点、水野候補は20点、田山候補は30点とした。
 森候補は「福島県に歴代総理で最も多く入り、復興予算約7兆円を投入し復興を強力に推し進めた」と理由を挙げた。水野候補は「国民が望む政策をやらないばかりでなく、国民に対して不誠実で真心や優しさが欠如している」、田山候補は「消費税より先に、地方交付税交付金を減額させるべきだ。民意をないがしろにしすぎだ」とした。