【18歳選挙権】(5)支持獲得への戦略 五里霧中の福島県内各党

 
選挙権年齢引き下げを受け、県内各党は若年層の支持獲得を狙い戦略を模索している

 「ただでさえ若者の政治離れが進む中、18、19歳の心をどうつかみ、票につなげるか。五里霧中といった状況だ」。県議の一人は心情を吐露する。県内で約3万8700人の有権者が増えると推計される来年夏の参院選をにらみ、県内の各政党は戦略を模索するが、効果的な具体策は見いだせていない。

 自民党県連は、党本部の方針を受けて7月、若年層の支持獲得を狙う「学生部」の担当者を選任。大学生を対象にしたインターンシップ(就業体験)や講演会などの活動を想定するが、本格的に動きだすのは11月の県議選以降の見通しだ。

 民主党県連は、若年層への訴えを強化するためインターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の活用を重点的に進める。県連幹部は「いかに分かりやすく若者に政策などを訴えていくかが重要になる」と語る。

 維新の党県総支部は、若者との対話機会を重視。公明党県本部は「地方版政労使会議」を設置し雇用対策の充実策を訴えることを検討。共産党県委員会は、安全保障関連法の廃止など政策面での支持拡大を図る。社民党県連は、若者向けの施策を重点的にアピールして支持を訴える方針だ。

 各党が重点戦略に掲げるのはネット選挙だ。昨年10月に行われた知事選でも、各陣営がホームページで政策を訴えたり、交流サイト「フェイスブック」に遊説の様子を掲載するなど積極的に活用した。ただ、ある陣営の関係者は「若者の投票率は依然として低い。どの程度票に結び付いたかは不透明だ」と話す。「ネットを使う世代だからといって、必ずしも政治家や政党のページを見るとは限らない。政策を訴えるツールとしては便利だが、それを票につなげるには、若者の関心を高めるのが大前提だ」