松本葛尾村長が引退へ 「気力と体力の限界を感じている」

 

 任期満了に伴い10月13日告示、同23日投開票で行われる葛尾村長選で、現職の松本允秀(まさひで)氏(78)=7期=は13日の村議会で、村長選に立候補せず、今期限りで引退すると表明した。任期は11月11日まで。県内の市町村で7期は現職最長。

 松本氏は13日に開会した9月村議会で「11月には79歳になる。気力と体力の限界を感じている」と述べた。

 葛尾村は東京電力福島第1原発事故で全域が避難区域となったが、今年6月12日に帰還困難区域を除いて避難指示が解除された。松本氏は議会後、取材に「避難指示の解除を区切りと考えていた」と語った。

 松本氏は葛尾村出身、双葉高卒。村議2期、村助役などを経て1988(昭和63)年に初当選。97年4月から双葉地方町村会長、同年5月から県町村会長をそれぞれ1期務めた。

 松本氏は原発事故直後、政府の避難指示がない中で全村民の避難を決断。迅速な対応が評価され、国際的な環境団体「グリーンクロス・インターナショナル」が贈る2013年の「グリーンスター賞」に選ばれた。

 葛尾村長選にはこれまで立候補を表明した人はいないが、水面下で新人を擁立する動きがある。