川俣町長選は短期決戦 古川町長辞意で候補者擁立の動き

 

 川俣町の古川道郎町長(72)=無所属、4期=が体調不良を理由に任期途中で辞職する意向を固めた。山木屋地区の避難指示解除を3月31日に控える中、復興のかじ取り役を選ぶ町長選を巡る動きが地元の政治家や町関係者らを中心に水面下で動き始めた。

 「山木屋の避難指示解除がある。かつてのような川俣町長選ではないよ」。古川氏の辞意を受け、町の事情に詳しいある関係者はこう話す。

 川俣町では、町を二分した激しい町長選が何度も繰り広げられ、その結果が町政の方向性を百八十度変えることもあった。町民はそのことをよく知っている。しかしこの関係者は、避難指示解除を間近に控えた次期町長選は、ひと昔前のような激戦にはならないとの見方を強める。

 選挙の時期は早ければ2月下旬ごろとなる見込みで、短期決戦となる。複数の関係者によると、古川氏は後継者を指名する意向はないとみられ、擁立の動きは混沌としている。

 候補者として町職員OBや県議、町議ら複数の名前が浮上しているが、動きが本格化するのは古川氏が辞職した後になるとみられる。

 古川氏は週明けにも町議会に辞職願を提出し、辞職は2月上旬となる見通しだ。古川氏は東京電力福島第1原発事故後の復興を最優先に町政を導いてきた。

 福島民友新聞社の取材に対して古川氏は「復興の道筋は付けることができたと思う。本格復興は後任に託したい」と述べており、今後の候補者擁立の動きに注目が集まる。