県内各党それぞれに思惑 福島県知事選、内堀氏が再選出馬表明

 
県内各党の動きもそれぞれの思惑の中で本格化してきた

 内堀雅雄知事(54)が21日の県議会で、10月11日告示、同28日投票の知事選に再選を目指して立候補することを正式に表明した。内堀知事の再選出馬表明を受け、知事選に向けた県内各党の動きもそれぞれの思惑の中で本格化してきた。

 ■二人三脚

 「優れたリーダーによって復興が大きく前に進み、県勢が伸展した。今後も内堀県政の本流与党として二人三脚で復興を進める」

 内堀雅雄知事が再選出馬を表明した21日夕方、福島市内で開いた自民党県連の所属県議らによる懇談会で、根本匠県連会長(衆院福島2区)は、来賓として出席した内堀氏を前に熱くエールを送った。この後、あいさつに立った内堀氏は「初心に立ち返り、誠心誠意、全力で取り組んでいく」と宣言した。最大会派自民は内堀県政の「本流与党」をアピールし、内堀氏支援の準備を加速させる。

 内堀氏が出馬表明した県議会の散会直後、太田光秋県連幹事長は選対本部会議を招集。内堀氏の出馬表明から約15分後には、同氏への支援方針が全会一致で決まった。県連は近日中に総務会を開き、同氏への支援を正式決定する見通し。

 ■「県民党」

 「内堀雅雄知事の再選を目指して頑張ろう」。県議会の本会議終了後、第2会派「県民連合」の控室に県議の気勢がとどろいた。

 音頭を取った瓜生信一郎会長は「4年前にわれわれは心を一つにして内堀知事当選のために頑張った。県民連合として知事の挑戦を応援していきたい。一致結束を」と強調。前回知事選で旧民主、社民両党の県連と連合福島、無所属県議による「4者協議会」が内堀氏を擁立し、当選に至った自負を前面に打ち出した。

 国民民主党、社民党、立憲民主党、無所属県議の18人で構成する県民連合。今回は連合福島と「5者協議会」を組織し、内堀氏に出馬を要請した。国民民主党県連は21日、持ち回り総務会で内堀氏支援を正式決定。亀岡義尚幹事長は「知事は県民党を掲げる。選挙に臨みやすい支援の在り方を考えたい」と見据えた。

 ■正念場

 公明党県本部の若松謙維代表(参院比例)は内堀氏の出馬表明を受け、直後にコメントを発表した。「県民目線の誠実な政治姿勢と、卓越した政策実現力のある内堀雅雄知事を支援する」。公明党県本部は内堀氏を自主的に支援する方針で、今井久敏幹事長は「復興バブルが終わり、これからが正念場だ」と強調した。

 ■対決姿勢

 内堀氏と対決姿勢を鮮明にする共産党県委員会の町田和史委員長は傍聴席でじっと見つめた。「耳障りのいい言葉を踊らせながら、県民が求めている具体的な施策があるわけではない」。支援団体と無所属候補を擁立する方針を決定しており「安倍政権と対峙(たいじ)し、国の責任を追及して予算を取るべきだ」と批判を強めた。