福島県知事選・立候補者アンケート(下) 「争点」13項目紹介

 

 28日投開票の知事選で、福島民友新聞社は立候補した4人を対象にアンケートを実施した。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故後2度目の知事選を迎え、復興施策や風評対策、子育て支援など本県の将来像、県民生活に関わる施策を聞いた。現県政の評価や今回の知事選の争点に関わることも尋ねた。計13項目について2回にわたり紹介する。

 内堀氏・共に福島創り上げる/町田氏・給付型奨学金を拡充

 【18歳選挙権を意識した公約】4人の候補者全員が「考えている」と回答した。
 18、19歳に向けて内堀氏は「希望と誇りの持てる魅力ある福島を築くのは皆さんの『チャレンジ』。共に力を合わせ『新生ふくしま』を創り上げよう」と主張。
 町田氏は若者に向け「大学や専門学校の増設・定員拡大、県が主体となる給付型奨学金の拡充、1人暮らしの若者のアパート代や水光熱費の助成」を訴えた。

 内堀氏・慎重検討求める/町田氏・住民合意大前提

 【放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について】内堀氏は「どちらともいえない」、3人が「反対」とした。
 理由で内堀氏は「環境、風評への社会的影響やさまざまな意見を踏まえながら議論を尽くし、慎重に検討を進めるよう国や東電に強く求めていく」と答えた。
 町田氏は「最も影響を受ける漁業者も反対している。住民合意が大前提。タンクでの保管を継続すべきだ。データを隠す東電の隠蔽(いんぺい)体質は許せない」と回答。金山氏は「理屈で安全と言っても信用されない」、高橋氏は「信用は失墜している」ことを理由に挙げた。

 復興予算「厳しさ増す」は3人

 【復興予算の確保】内堀氏、町田氏、高橋氏が「予算確保が厳しさを増す」、金山氏が「そうは思わない」と回答した。
 内堀氏は「複合災害に直面する本県の現状をしっかりと伝え、長い闘いとなる復興を確実に進めるため、国に最後まで責任を果たすよう求める」と強調した。
 町田氏は「政府は2020年度までの復興期間が終われば、事業や支援を打ち切ろうとしている。被害が続く限り、事業や支援は継続すべきだ」と批判した。

 健康づくり県全体に、子どもの遊び場整備

 【県民の健康改善】内堀氏は「食生活の改善や運動習慣の定着、企業の健康経営を応援するなど、健康づくりを県全体に波及させる」と回答した。
 町田氏は「子どもたちが元気いっぱい外で遊べるよう、遊び場などを整備。がん検診の無料化などで受診率を向上させ、健康増進活動を推進する」とした。

 2人「評価する」

 【安倍政権の評価】内堀氏と高橋氏が「評価する」、町田氏と金山氏が「評価しない」と回答した。
 理由で内堀氏は「『閣僚全員が復興大臣である』との認識の下、福島復興の加速化をけん引している。今後も求めるべきことは求めていく」とした。
 町田氏は「首相は民意に反して憲法9条を変え、消費税を10%に増税しようとしている。森友、加計(かけ)疑惑にふたをして国政を私物化し、許せない」と答えた。

 安心の子育て環境を、医療費無料化目指す

 【子育て支援】内堀氏は「安心して結婚、出産、子育てできる環境づくりを進める。育児中のキャリアアップや職場復帰支援など、きめ細かく支援していく」と回答した。
 町田氏は「待機児童を解消するため認可保育所を計画的に整備。子育て世代の負担を軽減するため、18歳以下の医療費無料化、教育費を軽減する」と指摘。金山氏は「子どもに故郷の誇りを持ってもらうことが第一」、高橋氏は「税優遇や祝い金、学費無料」などの施策を挙げた。