福島県議選「選挙戦」に水害の爪痕 復旧対策に候補者『熱弁』

 

 31日に告示された県議選。台風19号などの発生から間もない選挙戦となり、被災地区では候補者が拡声機の使用を控えるなど、災害の影響に考慮した舌戦となっている。

 大きな浸水被害があったいわき市選挙区。初日の遊説を控える陣営や、拡声機を使わず歩いて支持を訴える陣営など、遊説のコース設定に判断が分かれた。

 同市平平窪地区など夏井川の決壊で広範囲が浸水した地区に入った候補者は、歩いて復旧に取り組む市民と顔を向き合わせながら支持を求めた。「選挙は大事だが、復旧途中の有権者の気持ちを配慮すると考えてしまう」と直前まで判断に悩み、被災地入りを見送った陣営もあった。

 県内最多の13人が立候補した郡山市選挙区。多くの市民が水害による影響を受けていることから、出陣式では時間の大半を使って復旧対策に熱弁を振るう候補者が多く見られた。

 地盤となる地域が広く浸水した候補者にとっては、被災者の心情を考慮しながらの選挙戦となった。被災した地域を回る際には拡声機を使った選挙カーでの遊説は控え、徒歩での遊説を検討するなど地道な選挙活動が行われている。