「川内村長選」終盤の情勢 2氏が村づくり争点にしのぎ削る

 

 任期満了に伴う川内村長選は、12日の投開票に向け終盤戦に入った。立候補しているのは、届け出順にいずれも無所属で、新人の元村議志田篤候補(71)と5選を目指す現職の遠藤雄幸候補(65)=4期。新型コロナウイルス感染症の影響で有権者に直接支持を訴える活動を自粛しながら、復興・創生期間の終了を見据えた村づくりなどを争点にしのぎを削る。

 志田候補は、高齢者福祉の充実や村営住宅の家賃軽減などを掲げる。後援会組織は持たないが、一部のベテラン村議らが勝手連的に支援に回り、批判票の取り込みを図る。

 遠藤候補は、小、中一貫義務教育学校の設立や給食費無料の継続、ワインを柱にした新産業の創出などを訴える。後援会を軸に組織の引き締めを図り、子育て世代の支持拡大を狙う。

 両候補とも新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、有権者との握手を控え、ミニ集会の開催を見送る。外出する村民の姿もまばらな中、ある陣営の幹部は「有権者の反応が見えにくい」とこぼす。

 両陣営とも投票率は昨年11月の川内村議選並みの82%前後と想定、当選ラインを千票強とみる。有権者との距離感が生まれる中、いかに政策を浸透できるかが勝敗の鍵を握りそうだ。