市政刷新への負託 田村市長選・戦いの跡

 

 少子高齢化対策などを争点に、市政の継続か刷新かを焦点に舌戦を繰り広げた田村市長選は「公平公正な市政運営」を掲げた新人の元市議白石高司氏が激戦を制した。

 白石氏は昨年11月、「市民の声に寄り添った市政運営が必要」と出馬表明した。地元の同市船引町の後援会を中心に組織を広げていった。選挙戦では市議有志の支援も得ながら、立会演説に力を入れた。

 現職の本田仁一氏は市議、県議時代を通して拡大してきた後援会を軸に支持を求め、票の上積みを狙った。

 ともに無所属で「市民党」を掲げる中、選挙戦終盤に大票田の同市船引町で集中的に遊説した白石氏が支持を広げた。除染関連事業を受注した建設会社から市に多額の匿名寄付があった件などで、市政に不信感を覚えた有権者の票が、批判票として白石氏に流れたとの見方もある。

 投票率は70%を超え、有権者の関心の高さをうかがわせた。一方で、選挙結果は市をほぼ「二分」した格好となった。白石氏には、異なる意見をまとめ上げながら施策を実行する、強いリーダーシップが求められる。