【データで見る福島県議選】投票率40.73%...県民の関心高まらず

 

 12日に投開票が行われた第20回県議選では、選挙戦となった10選挙区で現職29人、元職2人、新人10人の計41人の当選が決まり、無投票当選の9選挙区17人を加えた新議員58人が出そろった。期日前投票者数は増えた一方、全体の投票率は40.73%で前回を0.95ポイント下回り過去最低を更新、県民の関心は高まらなかった。県議選をデータで振り返る。

 郡山が最低32.37% 石川郡5町村は上昇

 【市町村別投票率】選挙戦となった10選挙区24市町村の投票率を選挙区別で見ると、郡山市が32.37%(前回比3.24ポイント減)と最も低かった。市部平均は38.37%(同1.53ポイント減)と前回に続いて40%を割り込んだ。町村部平均は62.40%と前回を7.32ポイント上回り、県平均(40.73%)が40%を割り込むことを辛うじて回避した形となった。

 選挙区別では、南会津郡の73.93%が最も高く、石川郡63.48%、河沼郡61.18%と続いた。いずれも定数1を2候補が争う激戦となり、有権者の関心を高めたようだ。特に石川郡は5町村全てで前回より2ポイント以上上昇、各陣営が交流サイト(SNS)などを積極的に活用した結果、若年層が多く投票したとみられる。

 市町村別では、檜枝岐村の81.61%が最も高く、三島町78.33%、只見町78.13%と高い水準だった。

 一方、郡山市に加えて福島市、いわき市の各選挙区も40%を切り、都市部での低調が目立った。いわき市は、東日本台風の直後に行われた2019年の前回が15年比6.38ポイント減少し、今回は最多13人の争いが注目を集めたが、投票率は0.41ポイントの微増にとどまった。

 県選管は後日、年代別の投票率を公表する。

 当選ライン福島、郡山で低下

 【得票数】最多得票数は福島市選挙区の半沢雄助氏が獲得した1万4912票で、会津若松市選挙区の水野さち子氏が1万2044票、福島市選挙区の西山尚利氏が1万2007票、須賀川市・岩瀬郡選挙区の吉田誠氏が1万1629票、郡山市選挙区の椎根健雄氏が1万1526票と続いた。当選者のうち最も得票が少なかったのは、郡山市選挙区の山口信雄氏の4886票だった。

 当選ラインは福島市、郡山市両選挙区でともに下がり、福島市選挙区は前回の8000票台から6000票台、郡山市選挙区は前回の6000票台から4000票台となった。

 18万8798人、前回から2999人増

 【期日前投票】期日前の投票者数は10選挙区24市町村で計18万8798人だった。同じ10選挙区だった2019年の前回より2999人増えた。有権者に占める割合は17.67%で、前回を2.14ポイント上回った。導入から約20年がたち、制度の浸透度合いが数字に表れた。

 期日前投票者数の内訳は市部15万7992人、町村部3万806人。有権者に占める割合は市部で16.40%(前回比1.68ポイント増)だったのに対し、町村部は29.35%(同7.72ポイント増)と3割近くが制度を利用した。

 選挙区別では、石川郡が32.27%で、前回より8.06ポイント伸びた。選挙期間中、与野党の候補が接戦を繰り広げたことで、有権者の関心を高めたとみられる。

 市町村別では、檜枝岐村が45.21%、古殿町が44.14%、柳津町が37.25%の順で割合が高かった。一方、最も低かったのは郡山市の14.51%。福島、会津若松、いわきの3市も16~17%台にとどまり、働き世代が多い都市部への浸透が課題として浮かんだ。また不在者投票数は4003人で、前回より1074人減った。選挙区別ではいわき市が1198人で最多だった。

 最少は514票

 【当落の票差】選挙区別で当落の票差が最少だったのは会津若松市で、当選した宮下雅志氏が6604票を獲得し、落選した渡部優生氏は514票差の6090票だった。9人で8枠を争った福島市も571票差の接戦だった。

 一騎打ちとなった石川郡、河沼郡、大沼郡、南会津郡の4選挙区(いずれも定数1)は653~1618票差だった。候補者同士の得票率は小差となり、激戦の跡が見られた。

 前回より1人増6人

 【女性の当選者】女性は8人が立候補し、無投票を含めて前回より1人多い6人が当選した。全58議席に占める割合は10.3%で、8人が当選した2015年以来8年ぶりに1割を超えた。

 内閣府によると、4月時点で都道府県議に占める女性の割合は東京都の31.1%を筆頭に、34都道府県が10%以上だった。全国平均は14.5%で、本県は改選後も東北6県で最も低い水準となる。6人の党派別内訳は自民1人、共産4人、無所属1人。選挙区別では郡山市が2人、福島市、会津若松市、いわき市、伊達市・伊達郡が各1人だった。

 平均年齢56.91歳

 【当選者の年代】当選者58人の平均年齢は56.91歳で前回より0.19歳下がった。前回1人いた20代はゼロとなったものの、60代が大きく減り、30~50代が増えたことで平均年齢を押し下げた。最年少は32歳、最年長は77歳だった。

 年代別で見ると、50代が最も多い15人(前回14人)で全体の25.9%を占めた。60代が14人(同22人)、40代が12人(同10人)、70代が11人(同7人)、30代が6人(同4人)の順だった。

 政党別の平均は自民が57.06歳、立憲民主が58.60歳、共産が62歳、公明が57.75歳、日本維新の会が49歳、無所属が53.2歳だった。

 新人1人増の10人 52人立候補の現職は46人

 【新旧別当選者】新人の当選者は19選挙区で10人となり、前回から1人増えた。党派別では自民が推薦も含めて3人、立憲民主3人、無所属4人。自民は福島市、二本松市、いわき市、立民は福島市、須賀川市・岩瀬郡、河沼郡でそれぞれ1人の当選者を出した。

 52人が立候補した現職は46人が当選した。無投票で当選した17人は全て現職だった。