浪江の震災遺構「請戸小」 双葉・伝承館とツアー、連携も

 
県内初の震災遺構「請戸小」。校舎跡には巨大津波の威力をまざまざと見せつける痕跡が刻まれており、震災の教訓を伝える貴重な施設となっている=浪江町

 県内初の震災遺構として浪江町が請戸地区に整備した震災遺構「請戸小」も、東日本大震災・原子力災害伝承館とともにホープツーリズムの訪問先で注目されている。

 海岸から約300メートルの場所にあり、津波で被災した校舎跡は巨大津波の威力や避難の大切さをまざまざと見せつける。隣の双葉町に立地する伝承館から約3・5キロの距離で、二つの施設をツアーのコースに組み込みやすいのが強みだ。

 開所から約1年となる10月12日には来訪者数が5万人を超えた。浪江町教委は年間の来訪者数を3万人と予測しており、新型コロナウイルス禍でも来訪者の関心の高さが示された形だ。

 町教委によると、1日平均166人が訪れており、来訪者に占める個人の割合が7割に上った。町教委は伝承館との連携事業を展開する一方、英語にも対応した公式ホームページ(HP)を作り、外国人を含めた来訪者の増加を図っている。