古関の長男・正裕さん「朝ドラ終わるのは寂しい」 福島で講演

 
講演する古関の長男の正裕さん

 福島市出身の作曲家古関裕而の長男の正裕さん(74)=東京都=は25日、同市で「父からのエール」と題して講話した。今週で最終回を迎える裕而がモデルのNHK朝ドラ「エール」について、正裕さんは「エールが終わるのは寂しい」と名残惜しそうに語り、「最後は父の曲のコンサートになる」と古関メロディーでの締めくくりに期待を込めた。

 市と市青少年健全育成推進会議の主催。正裕さんは、両親の生い立ちや文通を通した出会い、作曲活動、家庭での様子などを写真や映像を交えながら紹介した。

 戦時歌謡でヒット曲を手掛けた裕而。正裕さんは戦後、裕而が傷病軍人を見掛けると必ず献金したと明かし、「アコーディオンなどで父の楽曲を演奏している姿を見て、どうしても素通りできなかったのだろう。私も今になるとその気持ちが分かる」と語った。

 母金子(きんこ)が朝ドラ好きだったことを挙げ「両親はまさか自分たちが主人公になるとは思わなかっただろう」と思いを巡らせ、「父は子どもの頃から音楽に熱中し続けた幸せな人生だった。エールを通じて皆さんに両親の姿を知ってもらえるきっかけになった」と語った。

 正裕さんがキーボードを担当する音楽ユニット「喜多三」のボーカル鈴木聖子さんもステージに上がり、「暁に祈る」「長崎の鐘」「栄冠は君に輝く」などの古関メロディーを歌った。