田村打線尻上がり 粘投報いた逆転、福島成蹊下し8強

 
【田村―福島成蹊】7回裏田村1死三塁、勝ち越し打を放ち、塁上でガッツポーズする田中=あづま球場

 ◇全国高校野球選手権福島大会・第9日(18日・あづま球場3試合)

 福島成蹊 5―10 田村

 エースの投球に、2年生がバットで応えた。七回に勝ち越し打を放って田村打線に火を付けた田中智哉(2年)。リードを許していた直前の六回、粘投するエースで主将の石川蓮也(3年)にマウンドでこう声をかけた。「大丈夫ですよ。打ってかえすんで」

 七回、その石川蓮が適時打を放って同点とし、田中に打席が回った。「チャンスになったので、絶対かえしたい」。1死三塁。バットを指1本分短く持つと、外角高めの直球を逆らわずに右中間へ弾き返した。有言実行の三塁打。塁上で大きくガッツポーズし、仲間を鼓舞した。

 181センチ、87キロの恵まれた体格から繰り出す長打で、打線の中軸を担う。昨秋の県大会では背番号は2桁だったが、打撃でチームに貢献しようと冬にパワーアップを図った。体重は4キロ増え、ベンチプレスの重量も40キロ上がり、春の県大会は4番も務めた。この日の勝ち越し打は鋭い打球で外野を切り裂き、一冬の鍛錬の成果を見せつけた。

 次戦は春の県大会4強の郡山。「甲子園が目標。同じ県中として負けられない」。ライバルを倒した先の一枚の切符を目指す。(南哲哉)

 【7月18日の試合結果】夏の全国高校野球福島大会・第9日

 

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