箱根駅伝往路、県勢奮闘 早大・山口「花の2区」で区間4位

 
2区で区間4位の好走を見せた早大の山口智規=戸塚中継所

 第100回東京箱根間往復大学駅伝第1日は2日、東京・大手町から神奈川県箱根町までの5区間107・5キロに関東の23校が出場して行われ、青学大が5時間18分13秒の往路新記録で2年ぶり6度目の往路優勝を果たした。3日の復路に2年ぶりの総合優勝が懸かる。

 県勢は、4区を走った東洋大の松山和希(学法石川高卒)が1時間1分37秒の走りで区間2位に入った。2区では早大の山口智規(同)が1時間6分31秒で区間4位となった。1区を走った明大の大湊柊翔(同)は8位、東農大の高槻芳照(同)は11位でたすきをつないだ。3区の東農大の長谷部慎(同)は区間23位だった。

 山口8人抜き、早稲田5位 「花の2区」で4位

 各校のエースが集う「花の2区」を初めて任された早大の山口智規(2年、学法石川高卒)は8人抜きで順位を4位まで上げてたすきをつなぎ、上々の箱根デビューを飾った。「あっという間で楽しい23キロだった」と爽やかに振り返った。

 距離が長く坂も多いコースの攻略を支えたのは仲間の声だった。12位でたすきを受けると前半から猛追。疲労を感じていた15キロ付近の給水で、4年生で唯一エントリーメンバーから外れた先輩から声をかけられた。「良い走りをしてる。頼んだぞ」

 ギアを入れ直した山口は、2区の難所「権太坂」付近で集団から抜け出し、好位置でたすきをつないだ。1時間6分31秒の記録で、早大の大学記録を29年ぶりに更新した。

 区間賞に輝いた青山学院大の同学年の黒田朝日に対し、「ロードでは分が悪かったが、トラックでは負けない」と負けん気十分の山口。さらなる好記録を本職のトラックで出すことを誓った。

 明治・大湊堂々区間8位

 「体験したことがない応援が背中を押してくれた」。明大1区の大湊柊翔(1年、学法石川高卒)は区間8位の力走。初めて見る箱根駅伝の光景を目に焼き付けた。

 有力ランナーがそろい、ハイペースとなった1区。最初の10キロを28分50秒ほどで入り、「まだ余裕はあった」と振り返る。大集団の後方に位置を取ってレースを展開。神奈川県境に架かる六郷橋を過ぎた辺りで引き離されたが、歯を食いしばって鶴見中継所まで駆け抜けた。「来年の箱根駅伝ではチームの主力として走りたい」と力強い言葉を残し、熱戦の余韻が残る会場を後にした。

240103spo024.jpg1年生ながら区間8位と奮闘した明大1区の大湊柊翔=鶴見中継所

 国士舘・小川監督 「全員で粘る」

 国士舘大の小川博之監督(いわき市出身)は「1区は少し出遅れたが、みんなで頑張って立て直してくれた」と納得の表情。勝負の復路へ「全員で粘ってつないで、国士舘らしい駅伝をしたい」と闘志を燃やした。

 東農・高槻、主将の役割

 10年ぶりに出場した東農大を引っ張る主将高槻芳照(4年、学法石川高卒)は1区で区間11位に入った。「シード圏内(10位以上)でレースを進めたかった。少し無駄な動きで体力を使ってしまったところもあった」と反省も口にした。

 1年時にオープン参加の関東学生連合で出場し、8区を走った経験があるが、今大会は大学名が入った伝統のたすきをかけて力走した。「仲間が待っているのは心強い」。チームメートを鼓舞するため額に汗をかいたまま中継所から慌ただしく芦ノ湖に向かい、主将としての役割を果たした。

240103spo023.jpg10年ぶりに出場した東農大のたすきをつなぐ1区の高槻芳照(左)=鶴見中継所

 長谷部、力発揮できず

 「チームに勢いをつけることができず、悔いの残る結果となった」。3区を走った東農大の長谷部慎(4年、学法石川高卒)はうなだれた。

 前半の下り坂では落ち着いた走りをみせたが、徐々に失速。「焦りがあった」。3キロ付近で集団に抜かれると、その後も順位を下げた。走りきった後、「今後も実業団などで走り続けていきたい」と話し、最後は顔を上げた。沿道に駆けつけた幼なじみの相田丈治(じょうち)さん(22)=中島村=は「勇気をもらった」と声を弾ませた。

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