都道府県対抗男子駅伝、福島県13位

 
アンカーを務め、区間6位の力走を見せた山口(左)=平和記念公園前

 第29回全国都道府県対抗男子駅伝は21日、広島市の平和記念公園前を発着点に7区間、48キロで行われた。本県は2時間21分18秒で13位となり、16位となった前回大会から三つ順位を上げた。2区椿瑠偉音(るいおん)(若松一中3年)と4区増子陽太(学法石川高1年)は共に区間2位の走りを見せた。長野が自県の持つ大会記録を10秒縮め、2時間17分0秒で3連覇を果たした。大会最多優勝記録も更新し、10度目となった。

福島県選手の区間成績

 【経過】1区植村が中盤まで先頭集団に食らい付き17位でスタートした。2区椿が区間2位の走りで2人を抜き、3区高槻も順位を一つ上げた。4区増子は区間2位の快走で4人を抜き去り、10位まで引き上げた。しかし、5区橋本が後半にペースを落とし、14位に下がると、6区吉田も16位と後退した。アンカーの山口は区間6位と健闘し、13位でゴールしたが、5年ぶりの入賞には届かなかった。

 ラスト30メートルで抜き去る

 沿道の歓声で沸く最後の直線。山口智規(とものり)(早大2年、学法石川高卒)はフィニッシュまで残り約30メートル付近で1人を抜き去った。「最後に意地は見せられた」と総合順位を13位に上げ、7人がたすきをつないだレースを締めくくった。

 中高生を中心とした若いチームのエースとして最長区間を任された。入賞圏内の8位とは1分20秒差でたすきを受け「6人がしっかりつないでくれた。8位まで届かせよう」と懸命に追いかけた。「向かい風でスピードを上げられなかった」と悔やんだが、区間6位の好走で順位を三つ押し上げた。

 ずっと憧れ続け、出場したかった大会だった。千葉県銚子市出身で学法石川高に進み「福島で陸上人生を本格的に始めた。お世話になった県に刺激や元気を届けたい」とふるさとランナーとして初出場。「福島のユニホームに袖を通せて光栄だしうれしかった」。チームに貢献し、恩返しの安芸路となった。

 本年度は大迫傑が持つハーフマラソンの大学記録を更新するなど飛躍のシーズンを送った。3月にはニューヨークでハーフマラソンにも挑戦する。「世界レベルで勝負できるような選手になりたい」と先を見据えた。(南哲哉)

 1区植村、臆せずに粘走

 1区を走った植村真登(まなと)(いわき秀英高3年)は「想像以上にハイペースな展開だったが高いレベルで戦えて幸せだった」とレースで得た経験を口にした。

 初めて全国規模の駅伝に出場し、いきなり1区を任された。「びっくりしたが、程よい緊張感を持っていい意味でいつも通りだった」と大舞台に臨んだ。世代屈指のスピードランナーが集う区間にも「前に食らい付く」と区間17位。「上には上がいる」と全国区のライバルに舌を巻いたが、粘りの走りを見せた。

 高校卒業後は、今年の箱根駅伝を制した青学大で競技を続ける。「スピードなどまだまだ強くなれる。箱根などの三大駅伝で走ってみたい」。広島での経験を糧に、大学進学後に活躍する青写真を描いた。

植村2区・椿にたすきを渡す1区・植村(左)=第1中継所

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