第25回みんゆう県民大賞 表彰式・座談会

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5月20日、こむこむ
西田 敏行さん
本県の良さ堂々アピール
片平 俊夫さん
勇気づけるスポーツの力
田部井淳子さん
困ったときこそ前へ前へ
みんゆう県民大賞 表彰式・座談会 「ふくしまを元気にするために」と題し活発な意見が交わされた座談会。(右から)田部井さん、片平さん、西田さんと五阿弥社長=福島市・こむこむ
 福島民友新聞社は創刊記念日の20日、県民の栄誉となる功績があった個人・団体を顕彰する、福島民友新聞社の創刊120周年記念「第25回みんゆう県民大賞」の表彰式、座談会を福島市の子どもの夢を育む施設「こむこむ」を会場に行い、「芸術文化」「スポーツ」「ふるさと」の各賞に輝いた3受賞者の功績をたたえた。
 受賞者は芸術文化賞が、日本を代表する俳優として活躍する西田敏行さん(67)=郡山市出身、スポーツ賞が、昨年6月に本県初開催の日本陸上選手権を成功に導いた前福島陸上競技協会長の片平俊夫さん(70)=福島市、ふるさと賞が、女性で世界初のエベレスト登頂、七大陸最高峰登頂に成功した登山家の田部井淳子さん(75)=三春町出身。
 表彰式、座談会は一般公開で行い、約270人が来場した。「ふくしまを元気にするために」をテーマに開かれた座談会では、福島民友新聞社の五阿弥宏安社長がコーディネーターを務めた。
 西田さんは「県民一人一人が古里への誇りを持ち、福島県の良さを堂々とアピールしていくことで福島は元気になると思う」と語り、片平さんは「スポーツが持つ、人々を勇気づけ前向きにさせる力で県民に元気になってもらい、復興に向けてみんなのパワーを集結できれば」と力を込めた。田部井さんは「困ったときこそ明るくという気持ちで、常に前へ前へ一歩ずつ進んでいくことが大事」などと語った。3人はそれぞれの立場で、熱い思いを語り、復興に向け着実に歩みを進める県民に力強いエールを送った。
                                                 

3氏たたえ表彰
みんゆう県民大賞 表彰式・座談会
 みんゆう県民大賞の表彰式では、五阿弥宏安社長が「東日本大震災発生から5年目に入ったが、福島民友新聞社は今後も古里福島の復興に向けて県民の皆さんとともに歩んでいく」とあいさつ。また、「創刊120周年を機に、新聞紙面はもとより、みんゆう県民大賞などの各種事業を通じて魅力あふれる本県の人、もの、自然を紹介し、県土の振興発展に貢献していく」と述べ、西田敏行さん、片平俊夫さん、田部井淳子さんに正賞の盾と賞状、副賞の50万円をそれぞれ贈った。

復興尽力、3人強い決意 「みんゆう県民大賞」喜び語る
  「受賞を糧にさらに力を尽くしたい」。福島民友新聞社が20日、福島市の「こむこむ」で行った第25回みんゆう県民大賞表彰式で、本県の誇りとなる功績を残してきた俳優の西田敏行さん(67)=郡山市出身、前福島陸上競技協会長の片平俊夫さん(70)=福島市、登山家の田部井淳子さん(75)=三春町出身=の3人は揺るぎない郷土愛や、復興へ歩む県民に寄り添っていくとの強い決意を語った。表彰式のスピーチで、西田さんは俳優人生の原点となった子ども時代の本県での思い出を紹介。片平さんは、誘致に奔走した昨年6月の日本陸上選手権に込めた思いを語り、田部井さんは大震災・原発事故後、一緒に富士山に登った高校生にまつわるエピソードなどを披露した。
田部井淳子さん
ふるさと賞の田部井淳子さん
片平俊夫さん
スポーツ賞の片平俊夫さん
西田敏行さん
芸術文化賞の西田敏行さん
◆福島の暮らしが財産 西田敏行さん 
 古里は、のんびりした、豊かな環境。福島の自然や人が、俳優への情操を育んでくれた。
 映画好きの父親は毎週、私を自転車の後ろに乗せて郡山市の映画館に連れて行ってくれた。中には「6本立て」という上映もあり、弁当を持って見に行った。小学5年のころには映画俳優への気持ちを抱いた。
 阿武隈川で泳ぎ、猪苗代湖で泳ぎ、山でセミを捕った。15歳までの郡山市、福島県での暮らしが私の財産だ。その福島が今、つらい目に遭っている。福島の山や川を何とか取り戻したいという気持ちが高まっていた中で、今回の栄誉を頂き本当にありがたい。受賞を糧にもっともっと、福島のために尽力したいと思っている。
 にしだ・としゆき 郡山市の中学校を卒業後に上京。明大中退後、1970(昭和45)年、劇団青年座に入団した。代表作「釣りバカ日誌」「植村直己物語」など映画、テレビなどで活躍。ふたば未来学園高(広野町)を支援する「ふたばの教育復興応援団」の一員。

◆日本陸上開催に感謝 片平俊夫さん 
 福島の現状を伝える時に、どれだけ口でいっても理解してもらえないと考え、日本陸上選手権を昨年6月に福島市に誘致した。県や団体、企業など多くの人たちの協力を得て開催することができた。3日間いずれも見事に雨だったが、計3万6000人が来場し、雨でも最後まで観戦してくれた県民の姿に日本陸連関係者も感動していた様子だった。
 皆さんの力添えのおかげでここまでこられた。感謝の思いでいっぱい。私は昔投てきの選手だったので、重い物はずいぶん持ち上げたが、今回の賞の重みを感じる。これから何をしなければならないか、その重みを受け止めて、少しでも福島の復興のために力を尽くしたい。
 かたひら・としお 伊達市出身。保原高、順大卒。95年の「ふくしま国体」で県競技力向上対策室強化対策班長を務め、相馬女高(現相馬東高)、保原高の校長などを歴任。07年に福島陸協会長、東北陸協副会長に就任。昨秋、瑞宝小綬章を受章した。

◆高校生 1000人富士山へ 田部井淳子さん 
 創刊120周年の記念すべき年に県民大賞という栄えある賞を頂き、心からうれしく思う。
 今、私が取り組んでいることの一つに被災者とのハイキングと東北の被災した高校生を対象にした富士山登山がある。富士登山は若い人たちに元気になってほしいと2012(平成24)年から始めた。毎回、登山を終えた高校生たちからは「一歩一歩登っていけば、必ず頂上に立ち、自分の目標が達成できることが分かった。諦めなくて良かった」などの感想が寄せられている。
 今、18歳の高校生は10年後、28歳。本県の復興の大きな力になるのではないかと夢見て、1000人登らせるまで何とか続けていきたいと思っている。
 たべい・じゅんこ 田村高、昭和女子大卒。「女子だけで海外遠征を」を合言葉に69年に女子登攀(とうはん)クラブを設立。これまで70カ国以上の最高峰・最高地点に登頂した。震災後は、被災した東北の高校生を対象とした富士山登山などに取り組む。

「福島のためになることを地道に」 来場者盛んな拍手
みんゆう県民大賞 表彰式・座談会
受賞あいさつを聞く来場者=20日午後、福島市・こむこむ
 会場には大勢の来場者が訪れ、盛んに拍手を送りながら3氏の話に聞き入った。「一歩ずつこつこつ、前向きにと自分に言い聞かせて取り組んできた。今日の話を聞いて、その思いを強くしました」。座談会終了後、福島市の美田京子さん(78)は感想を語った。
 折り紙やお手玉を子どもなどに教えるボランティア活動に取り組んでいる美田さん。「西田さんが言ったように、福島のためになることを地道にやっていきたい」と笑顔で話した。
 同市の鈴木一枝さん(70)は「田部井さんが指摘したように、福島の現状、良いところを外に発信するのは大事だとあらためて感じた。県外の友人と話す機会が多いので、自分のやり方で福島を元気にしていきたい」と語った。
(5月21日付福島民友新聞掲載)