いわきFC6発、熊本に大勝 先制ヘッドで勢い、新戦力の活躍光る

 
【いわき―熊本】前半9分、ジャンプ力を発揮し、頭で先制点を奪ういわきのDF照山=えがお健康スタジアム

 サッカーJ2第4節ー。いわきFCは17日、アウェーのえがお健康スタジアム(熊本市)でロアッソ熊本と対戦し、J2参入後最多となる6点を挙げ、リーグ戦では今季初の無失点で大勝した。いわきは2連勝となり、通算成績は2勝1分け1敗で順位は20チーム中5位に浮上した。

 いわきは前半9分、CKからゴール前に流れたボールにDF照山颯人が頭で合わせて幸先良く先制した。同28分にはFW近藤慶一がヘディングシュートを決めた。後半も攻勢を緩めずに5分にFW谷村海那、15分に照山がこの日2点目を奪取。26分に相手が1人退場となった後には途中出場のMF山口大輝、FW有馬幸太郎がダメ押しのゴールを奪った。

 いわきは次戦の20日、アウェーのJITリサイクルインクスタジアム(甲府市)で2位のヴァンフォーレ甲府と対戦する。午後2時開始予定。

いわきFCの試合結果

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきが圧倒的な攻撃力で大勝を収めた。中盤に厚みを持たせる熊本に対し連係した守備で対応して主導権を握ると、前半9分のDF照山の先制点で流れに乗った。同28分にはサイドのクロスから2点目を奪取。後半もDFラインを下げることなく攻勢を強め、相手に退場者が出たことで数的優位となりさらに追加点を重ねた。照山やDF五十嵐ら新戦力の活躍が光った。(佐藤智哉)

 驚異の跳躍力、照山2発

 春を前に新戦力の実力が開花しつつある。今季、J3今治から加わったいわきのDF照山颯人は移籍後初ゴールを含む2得点。さらに1点目はチームの記念すべきJ2通算50点目となり、「移籍してきて、これといった結果が残せていなかったので、得点と無失点で見える結果が出せてうれしい」と雨でぬれた顔を心地よさそうに拭った。

 1点目は持ち味が出たゴールだった。前半9分、CKからDF五十嵐聖己(せな)がゴール前にそらしたボールに反応した。

 「普段からジャンプのトレーニングもしているのでそれが生きた」。マークについた相手よりも頭一つ抜け出し、ヘディングで先制点をもたらすと、後半25分にはCKに足で合わせて2点目を奪取。「プロで1試合2点は初めて。思ってもいなかった」と笑った。

 得点以上にうれしかったのが無失点で試合を終えたことだ。これまでのリーグ戦3試合ではスリーバックの中心としてフル出場したが、無失点試合はなかった。逆に自身が出場しなかった13日のルヴァン・カップのFC大阪戦では失点ゼロだった。「仲間が良い試合をして刺激になった分、何としてでもきょうはゼロで抑えたかった」との思いがあった。

 チームはルヴァン・カップを含めて3連勝で、状況は上向きだ。「徐々にチームとしてやりたいこともはっきりしてきた。もっといいチームになれると思っている」と照山。昨季J3ベストイレブンの守備の要が、チームに新風を吹き込む。(佐藤智哉)