いわきFC、甲府とドロー 4試合連続で勝ち点 サッカーJ2

 
【いわき―甲府】前半、敵陣深くへ攻め込むいわきのFW近藤慶一〈9〉=JITリサイクルインクスタジアム

 サッカーJ2のいわきFCは20日、アウェーのJITリサイクルインクスタジアム(甲府市)でヴァンフォーレ甲府と対戦し、1―1で引き分け、4試合連続で勝ち点を手にした。通算成績は2勝2分け1敗で、順位は20チーム中6位。

 いわきは前半、相手に先制を許すも、同25分、ゴール前でパスを受けたMF山下優人のワンタッチにFW近藤慶一が反応、左足でゴールを決めて追い付いた。後半は悪天候のため42分間中断。いわきは再開後も互角の戦いを繰り広げた。

 いわきは次戦の24日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で13位のモンテディオ山形と対戦する。午後2時開始予定。

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 【評】いわきは積極的なプレーを繰り広げ、敵地で勝ち点1をもぎ取った。立ち上がりに攻め込まれ、速い左右の揺さぶりで崩され前半13分に失点した。徐々に強気のプレスで盛り返し、同25分にFW近藤のシュートで同点に追いついた。その後は甲府に押し込まれる時間も多かったが、最後まで集中力を切らさず引き分けに持ち込んだ。(小磯佑輔)

 近藤「乗ってる」狙い通りの一発

 攻守で苦しんだいわきに、価値ある勝ち点「1」をもたらした。同点弾を決めたFW近藤慶一はこれで公式戦3試合連続得点。「乗っています」。こぼれた笑みからは、点取り屋としての自信が垣間見えた。

 ゴール前での落ち着きが光った。前半25分、MF山下優人からの縦パスをゴールを背にしてトラップ。後方の相手DFが届かない場所へボールを置くと、奥の相手GKが「早く動いてくれたのが見えた」。振り向きざまにGKの逆をつくコースへボールを流し込んだ。「慌てないことを1番意識していた」と狙い通りの一発だった。

 第2節岡山戦でスタメンを勝ち取った近藤は、途中出場した13日のYBCルヴァン・カップFC大阪戦で得点し「自分の流れが来た」。17日の第4節熊本戦でも得点を決め、大勝に貢献した。

 F大阪戦ではニアサイドに飛び込んでのワンタッチシュートを決め、熊本戦ではヘディング。この日は相手を背負っての反転シュートと、得点に多彩さが出てきた。苦手とする味方との連係でも成長を見せており、田村雄三監督も「少しずつできることが増えてきている」と成長を喜んだ。近藤は「もっともっと幅を広げたい」と意気込む。

 疲労も抜けない一連の過密日程のまっただ中で、アジア・チャンピオンズリーグも経験した実力者の甲府に負けなかったことは大きな収穫だ。今節から中3日で迎える次節山形戦がこの連戦の最後となる。厳しい連戦を勝利で終えられれば、今後のリーグ戦に向け大きな弾みになりそうだ。(小磯佑輔)