いわきFC、勝ち点死守 東北ダービー...山形とドロー サッカーJ2

 
【いわき―山形】前半16分、シュートを放ついわきのDF大森(左)=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第6節ー。いわきFCは24日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)でモンテディオ山形と対戦し、0―0で今季初の東北ダービーを引き分け、5試合連続で勝ち点を得た。通算成績は2勝3分け1敗で、順位は20チーム中7位。

 いわきは序盤から積極的にゴールへ迫り、FW近藤慶一らのシュートが続いたが、得点を奪えなかった。後半も一進一退の攻防が続き、均衡を崩すことができなかった。いわきは次戦の30日、アウェーのソユースタジアム(秋田市)で12位のブラウブリッツ秋田と対戦する。午後2時開始予定。

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 【評】いわきは実力者をそろえる山形と互角に渡り合い、引き分けた。過密日程の中の一戦だったことからパスミスやプレスの緩さが散見され、山形のサイド攻撃に押し込まれる我慢の時間が長かった。それでも終盤には運動量で上回って優勢に転じ、迫力あるカウンター攻撃やセットプレーでたびたび好機を演出した。ただゴール前の精度を欠き、決定的な得点機会は少なかった。(小磯佑輔)

 順調な滑り出し、戦力手応え

 苦しい戦いの中で得た勝ち点「1」を、いわきは好意的にとらえている。「難しい試合でも最低限の勝ち点を取れるチームになってきている。すごく良いこと」。フル出場したDF大森理生(りお)は充実感をにじませた。

 前節に引き続き、攻撃の組み立てで苦戦した。相手のプレスにパスやトラップが乱れて敵陣まで前進できず、たびたび自陣でボールを奪われた。それでも献身的な守りで要所を締め、カウンターから効果的な攻撃に転じた。大森は「細かい修正は必要だが、大きな方向性は間違っていない」と一定の手応えを語った。

 これでチームは目標の勝ち点ペース「6試合で勝ち点『9』」をクリアした。6試合中4試合で相手よりも多くのシュートを記録し、得失点差「プラス7」は首位岡山と並んで最も良い数字だ。順調な滑り出しと言える。

 要因の一つに戦力の底上げが挙げられる。開幕から先発が入れ替わり、途中出場で光るプレーをする選手もいる。第3節から先発が続く大森もその一人。「スタメンに落ち着いたとは思っていない。好調な選手が出るべきで、その中で先発を保てるかが課題になる」とチーム内競争を語る。

 2週間で5試合を消化する日程の5試合目だった今節は、疲労の色が濃かった選手たち。それでも「中3日の試合を連戦だとは思わない。慣れていかないと」と田村雄三監督は語る。最初の目標を達成したからと、現状に満足するつもりはないようだ。(小磯佑輔)