「双葉との絆」...さらに強く 英・ビバリー町と友好都市締結へ

 
友好都市の締結に向けた覚書を締結した伊沢町長(右)とビバリー町のトム・アステル町長=17日午後

 【英イースト・ライディング・オブ・ヨークシャー州=浪江支局長・渡辺晃平】英国を訪れている双葉町の伊沢史朗町長は17日午後(日本時間18日未明)、英国東部のビバリー町を表敬訪問し、トム・アステル町長と両町の友好都市締結に向けた覚書を締結した。両町は今後、町民相互の交流と協力により文化的・社会的な発展を目指し、友好を深めていくことを誓った。

 伊沢町長がビバリー町を訪れるのは昨年1月に続き2回目。前回は友好都市の締結を求める書簡を提出していた。ビバリー町は双葉南・北小の英語指導助手(ALT)フィリップ・ジェリーマンさん(42)の古里。東日本大震災前から継続的に双葉の子どもたちに寄り添い、英語教育に尽力している。

 締結式は町中心街で行われ、フィリップさんの家族や町の関係者が駆け付けた。覚書に署名した伊沢町長は「震災時、多くの外国人が帰国を余儀なくされたが、フィリップさんはわれわれと避難を共にし、今も双葉の子どもたちに寄り添い続けている。そのような彼を育んだビバリー町と交流を深めたい」と述べた。併せて双葉町が震災後に歩んだ苦境も紹介した。トム町長は「両町の学校の交流へも発展させたい。私たちは歴史を一緒につくっていけると期待している」と歓迎した。

 フィリップさんは「うれしい一日になった。これからも双葉の子どもたちの教育に励みたい」と語った。母のジェニファーさん(80)は「息子は家族の誇り。寂しいけれど、双葉で頑張ってほしい」と喜んだ。

 派遣団は18日、英国東部のハル市を訪れ、同市との友好都市締結に向けて協議する。市内の学校も訪れ、双葉中の生徒が現地の子どもたちと交流する予定だ。