飯舘村とハシドラッグ、出店協定締結 25年春開業、商業施設に

 
商業施設の完成イメージ図

 県北地方を中心にドラッグストアチェーンを展開するハシドラッグ(福島市)は、飯舘村草野地区に整備中の商業施設に新規出店する。2025年春の開業を目指す。ドラッグストアの村内への新規出店は初めて。村と同社は19日、出店に関する基本協定を締結した。

 商業施設は公設民営の形を取り、東京電力福島第1原発事故後に閉業したスーパー・旧Aコープ飯舘店といいたてミートプラザの跡地に整備される。すでに建物は解体され、今年1月に着工した。

 出店店舗では食料品や日用品、医薬品のほか、村産農産物なども販売する。人数は調整中だが、村民の雇用も想定している。村と同社は23年4月に「飯舘村内における生活環境の向上に関する基本協定」を結んでおり、今回締結した協定と合わせて、両者が連携し、課題となっていた村内の買い物環境の向上を目指す。

 商業施設は鉄骨造り平屋で、敷地面積は約6557平方メートル、延べ床面積は約1282平方メートル。総事業費は約7億2800万円を見込んでおり、国の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」などを活用する。

 村役場で行われた協定締結式で、杉岡誠村長と同社の橋浦希一社長が協定書を取り交わした。杉岡村長は「村民待望の(ハシドラッグの)出店となる。これを機に子育て世帯などの移住、定住の増加を目指したい」、橋浦社長は「過疎地への出店は初めてとなるが、復興途上である村で暮らす村民の生活環境を少しでも向上させていきたい」と述べた。

ハシドラック出店予定地