古民家を改修、地域の生活サービス拠点に いわき・川前

 
拠点のカフェで食事をする関係者

 過疎化と高齢化が進むいわき市川前町の古民家を改修し、地域住民に生活サービスを提供する機能を持つ施設「小さな拠点おおか」が26日、正式にオープンした。住民の交通手段となる自家用有償旅客運送「おおか号」の運用も始まり、住民同士の助け合いで高齢化を乗り越えようとする取り組みが本格化した。

 施設とおおか号は、住民有志でつくるNPO法人が企画。昨年1月から準備を進め、同5月から試験的な運用を始めた。施設は築70年を超える古民家を改修し、住民が交流できるカフェや健康講座などのイベントを行う交流スペースを設けている。おおか号は、住民が近隣の病院やスーパーなどに行く際の交通手段として利用できる。市の共創型地域交通運営支援補助金を活用した。

 26日、施設で安全祈願祭とおおか号の出発式が行われた。安全祈願祭では同法人の永山正一理事長や内田広之市長ら関係者が玉串をささげた。出発式では関係者がテープカットし、住民が乗ったおおか号が出発した。

 おおか号を利用した同市川前町の主婦酒井ヤス子さん(66)は「移動には車が必要だが、目の調子が悪く運転するのが不安なので本当に助かる」と安堵(あんど)した。永山理事長は「地域の人におおかの必要性を感じてもらい、一人でも多くの利用者とボランティアが集まるよう活動していく」と意気込みを語った。

おおか号地域住民を乗せて出発するおおか号