新種だった「ヒシコンニャクウオ」 アクアマリン飼育員らが採取

 
ヒシコンニャクウオ (田城文人北海道大総合博物館助教提供)

 アクアマリンふくしま(いわき市)は25日、北海道知床半島沖で飼育員らが採取した深海魚が新種のクサウオ「ヒシコンニャクウオ」だったと発表した。ヒシコンニャクウオは既に死んでおり、26日から標本を展示する。同館での公開は初めて。

 同館によると、知床半島沖の水深570~825メートルで2021年8~9月と22年8月に採取したクサウオ科コンニャクウオ属4個体の標本を調べた結果、既存の種類と比べて、脊椎骨やヒレの数に違いがあることを発見。遺伝子調査でも他種との差が認められた。

 種名はひし形をした外見の特徴から名付けた。京都大、北海道大と共同研究し、日本魚類学会国際学術誌「イクチオロジカル・リサーチ」で2月26日に発表した。

 同館が関わった調査で知床半島沖からクサウオ科の新種を発見したのは四つ目。クサウオ科は430種以上が知られ、ほとんどが深海に生息しているという。寒天質の柔らかな肉質のため漁網などで体が傷つきやすく、水族館での展示例は少ない。