汚染水1日80トンに減少、福島第1原発 地表舗装の対策効果

 

 東京電力は25日、福島第1原発で2023年度に発生した汚染水が過去最少の1日当たり約80トンだったと発表した。25年内に100トン以下にする目標を2年前倒しで達成した。雨水が地下に染み込まないよう地表をモルタルで舗装する「フェーシング」などの対策の効果としている。

 東電によると、22年度の汚染水発生量は1日当たり約90トンで、23年度は約10トン減った。年間の降水量が1275ミリで、平年に比べて約200ミリ少なかったことも要因の一つとした。平年並みで評価しても1日当たりの発生量は約90トンだった。東電は、28年度までに1日当たり50~70トンに減らす目標を自主的に定めている。今後、原子炉建屋などへの雨水流入を防ぐ対策を行う予定という。

 第1原発では、1~3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やす注水や、建屋への地下水や雨水流入で汚染水が日々発生している。

 東電は汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化し、処理水として昨年8月から海洋放出している。