【福島県議選・前線ルポ】「復興」テーマから変化 "国政争点" どう影響-いわき市

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 多くの双葉郡住民が避難生活を送るいわき市。避難住民と市民との共生が大きな課題となる中、医師不足や観光振興など震災・原発事故前からの問題も浮かび上がり、「早期復旧」が焦点だった前回とは状況がやや異なる。県内最多16人の各候補者は東奔西走する。
 現職5人が再選を目指す自民は復興施策の実績を訴える。副議長の青木稔は6日、運送会社での個人演説会で復興財源の確保をアピール。阿部広は市南部での候補者乱立に危機感を抱き、医療や教育環境の充実を強調。再選を期す矢吹貢一は防災対策として県道や河川改修などを訴える。

 小名浜が地盤の鈴木智は沿岸部の早期復旧や小名浜港の機能向上を訴え、市北西部を拠点とする木田孝司は医療・福祉の充実を強調、票の上積みを目指す。しかし各陣営は9月に成立した安全保障関連法や環太平洋連携協定(TPP)について「影響をひしひしと感じる。以前のように支持を固められない」(陣営幹部)と嘆く。有権者にどう映っているのか手探りが続く。

 自民と政権与党を組む公明の現職安部泰男は地方創生、生活支援などの施策で党支持層を固める戦略だ。

 一方、野党陣営は原発政策や格差社会是正など安倍政権への批判を強める。民主は宮城県議選で共産が躍進した結果を踏まえ、独自色をいかに打ち出すか危機感を強める。現職で3選を目指す古市三久は、政策が近い社民や新人の動向を注視、連合票を基盤に支持拡大に走る。同じく民主新人の鳥居作弥は被災地支援に取り組んだ実績を訴える。

 共産は現職宮川絵美子と新人吉田英策で2議席維持と票の上乗せを狙う。市委員会の役員は「安保法への強い反発を感じる。これまで他党の支持基盤だった団体からも支援の流れが来ている」と鼻息が荒い。社民新人の鈴木利之も安保法制廃止や原発再稼働反対などで支持拡大を狙う構えだ。

 無所属5陣営の動きも活発だ。特定の支持団体を持たない新人の佐藤和良は草の根運動で脱原発や地域医療の充実を訴える。6選を目指す現職の西丸武進は後援会の体制を強化、当選ラインを8000票に設定した。

 4年前は民主党県議だった元職佐藤健一は内郷を中心に実績を訴え、丁寧に票を掘り起こす。新人山崎和子は女性や若年層を的に選挙カーを走らせ浮動票獲得に奔走。自民党員の坂本竜太郎は元衆院議員の父の支持組織に若い世代の行動力も取り入れる。(敬称略)

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 第18回県議選は、11選挙区で44議席をめぐり激しい舌戦が繰り広げられている。15日の投開票まで8日間。各陣営はどう政策の浸透を図り、関心を高めるのか。激戦区の最前線を追った。