【双葉町】 ウェブ上で「激励品」公開 支援への感謝伝える

 

 原発事故の影響で全町避難が続く双葉町は、震災に関する資料を専用のホームページで公開している。被災直後から現在までの町内の写真や、町に寄せられた支援物資などを掲載することで町の正しい現状や支援への感謝を伝える考えだ。住民が故郷を思い出すきっかけをつくることで、町民の絆の維持も期待する。

 沿岸部を襲う津波の写真、避難所で使われた段ボール製の簡易更衣室、温かなメッセージが添えられた千羽鶴--。ウェブ上には被災直後の衝撃的な一瞬をとらえた写真や、町民を励まそうと心を込めて作られた激励品の画像が並ぶ。

 町は2011(平成23)年3月末、埼玉県加須市の旧騎西高校に役場ごと避難、校舎内に役場と避難所を設置した。13年6月にいわき市に役場機能を移転して同12月に避難所を閉鎖するまで、国内外から多くの激励品や支援物資が寄せられた。

 町は震災体験の継承や防災対策への活用のため、震災関連資料を保存し、情報を国内外に発信しようと、筑波大と覚書を締結。共同でホームページ「双葉町の東日本大震災関係資料を将来へ残す」を設けた。

 「頑張れ双葉」「あきらめないで」などの激励のメッセージが書かれた、国内外から寄せられた色紙や、避難所で使われた生活用品、震災以降の町の経過などを紹介。本年度中に英語版のページも作り、国外への発信力も高める方針だ。