佐藤金正川俣町長に聞く 人導ける環境整備、汚染土壌など搬出を

 
インタビューに答える佐藤町長

 31日の山木屋の避難指示解除により、町の再生は新たなステージを迎える。2月26日投開票の川俣町長選で初当選した佐藤金正町長に、山木屋の復興策などを聞いた。

 ―復興に向け重要施策は。
 「避難指示解除は復興に向けた第一歩。課題を一つずつ解決し、住民が望む方向に進んでいきたい。町民が連携を深め、夢を共有し合う町としたい。帰りたいと思っている人や帰還を迷っている人を導けるよう環境の整備に取り組みたい。行動し成果が出るよう努力したい」

 ―仮置きしている除染で出た廃棄物の処理についての考えは。
 「営農再開を推進する上でも、いち早く除染で出た汚染土壌などを中間貯蔵施設に搬出することが大切だ。山木屋には62万袋の除染で出た廃棄物がある。そのうち35%が可燃物だ。可能ならば伊達衛生処理組合や飯舘村の焼却炉で燃やし、減容化できるよう関係機関に要望し、理解を求める。生活空間に除染で出た廃棄物があると復興の壁となってしまう」

 ―浪江町方面へのアクセスも復興には重要だが、同町津島が帰還困難区域で、国道114号が通れない。
 「国道114号が通行可能になるよう活動したい。国道114号は中通りと浜通りを最短距離で結ぶ幹線道路。通ることができなければ山木屋が袋小路の状態となり、帰還意欲の障壁ともなってしまう。開通すれば、復興拠点として整備する商業施設にも多くの人が訪れ、交流人口の拡大にもつながる」

 ―町内にある仮設住宅の入居率が下がっている。
 「仮設住宅に避難する住民の多くは高齢者となっている。各世帯を戸別に訪問しながら目指すべき住宅について相談し、手伝うことに尽きる」