【内堀雅雄知事】財源含めた構想を 復興・創生期間後見据え

 
内堀雅雄知事

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から7年を迎えるに当たり、福島民友新聞社は9日、内堀雅雄知事に今後の本県復興策について聞いた。(聞き手・編集局長 菊池克彦)

 内堀知事は、2020年度で終了する「復興・創生期間」後の本県復興の進め方について、国や市町村との協議を前提に、財源を含めた明確な復興構想の策定と、そのための体制整備に強い意欲を示した。また、県内原発全基廃炉に向けた県の方針についても語った。

 ―復興・創生期間後に目指す本県の未来像は。
 「復興・創生期間後も本県の復興を進めるため、財源を含めた構想を作る必要がある。創生期間後も国の責任を明確にして、本県が復興にまい進していける体制を整備したい。(構想と体制は)国、県、市町村が一体となって作り上げることが大切で、特に当事者となる国と共に作っていくことをイメージしている。創生期間残り3年で復興を前に進める中で、並行して議論を進めていきたい」

 ―知事の任期は11月に迫る。今後、復興をどのように実現させていくのか、現状と課題は。
 「避難地域の生活環境が整備され、避難指示が解除された区域が拡大するなど、復興は着実に進んでいる。一方で、今なお5万人近い方々が避難生活を続けており、生活再建、廃炉・汚染水対策、風評・風化問題など重い課題を抱えている。山積する課題に向き合い、解決に全力を尽くすことが私に課せられた使命だ。復興・創生期間の中で福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の具体化やJヴィレッジの復活、東京五輪・パラリンピックを契機とした国内外への本県復興の発信を目指す」

 ―東京電力福島第1原発の廃炉作業の評価は。第2原発廃炉に向けてはどう取り組む。
 「第1原発の廃炉は着実に進んでいるが、課題は山積している。トリチウムを含む水の取り扱いについては国、東電が環境や風評など社会的影響について丁寧に説明し、理解を得ながら慎重に議論を進めるべきだ。一方、第2原発廃炉については『県内原発全基廃炉を成し遂げてほしい』という県民の強い思いを国、東電に訴えていく」

 ―人口減や県民の健康改善に向けた対応も急務だ。
 「人口減少は非常に厳しい状況にあり、強い危機意識を持っている。県の予算全てが人口減対策に関わるものだ。本県独自の視点を加え、人口減の歯止めに向けた施策を展開する。(健康長寿県の実現に向けては)県民の健康づくりへのチャレンジが個人から職場、さらには地域へと広がるよう、取り組んでいきたい」