福島県・交通網に『新拠点』誕生! インターチェンジ相次ぎ開通

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 常磐道に今年3月、ならはスマートインターチェンジ(IC)、大熊ICが相次いで開通した。浜通りの「大動脈」に誕生した新たな交通の拠点は、一部地域の避難指示が解除された大熊町など、復興へ向けて歩む県民の大きな一助となりそうだ。また磐越道には同月、田村スマートICが誕生するなど、震災後の県内の道路網の整備は加速している。

 「通勤ストレス...少なく」

 【常磐道・ならはスマートIC】「移動の負担が大幅に減った」。南相馬市の会社に車で通勤している楢葉町の猪狩一正さん(56)は、ならはスマートIC開通の効果を実感している。

 猪狩さんが開通前に利用していた国道6号は復興関連事業で交通量が増加し、特に朝夕は頻繁に渋滞が発生する。自宅から車で約5分の距離にある同ICを利用することで、国道6号を使っていた当時と比べ通勤時間は約30分短くなった。家族と朝食を楽しむ心のゆとりも生まれ、猪狩さんは「通勤の事を考えると気持ちが暗く沈む朝もあった。今ではストレスを感じることも少なくなった」と喜ぶ。

 同ICは、既存のならはパーキングエリアを活用した自動料金収受システム(ETC)搭載車専用のIC。広野IC(広野町)の北側約5キロ、常磐富岡IC(富岡町)の南側約11キロに位置し、上下線とも24時間、全ての車種が利用できる。重篤な救急患者を受け入れることができるいわき市の第3次医療機関への搬送時間は8分ほど短縮され、医療の分野からも注目されている。太平洋を一望できる天神岬スポーツ公園や浜通り最大規模の屋内体育施設など、町の名所までの最寄りの玄関口にもなる。町新産業創造室の遠藤俊行室長(52)は「町外から人の流れを呼び込むための大きな力となる。スマートICを出入り口とした町内周遊ルートを提案するなど復興に役立てたい」と期待する。

 「事業再開の意欲高まる」

 【常磐道・大熊IC】「町の事業者の再開意欲も高まるだろう。大熊の復興が本格化するのを楽しみにしている」。大熊町商工会の白石清二事務局長(62)は、大熊ICに期待を寄せる。自身も開通当日の3月31日、利用者「第3号」として実際に同ICを利用した。

 同ICは東京電力福島第1原発から約5キロの帰還困難区域にあり、富岡町の常磐富岡ICの北側約4キロ、建設が進む双葉町の双葉IC(仮称)の南側約5.3キロに位置する。上下線とも24時間、バイクを除く全ての車種が利用できる。

 東電福島第1原発事故で全町避難が続いた大熊町の避難指示は4月10日、一部区域で解除された。同14日には同町大川原地区に町役場の新庁舎が開庁、連休明けの7日から本格的に業務を開始した。

 復興事業や町民帰還の加速、廃炉作業の進展、中間貯蔵施設への輸送力向上―。町を取り巻く課題は山積している。「町の復興を大きく後押しするはず。古里に町民の笑い声が響き渡るまで、確実に復興の歩みを進めていく」と渡辺利綱町長。大熊ICは、同町のこれからの歩みを支えるインフラでもある。

 「一年通じた観光振興」

 【磐越道・田村スマートIC】磐越道には3月17日、田村市大越町に田村スマートICが開通した。約20.5キロに及ぶ船引三春、小野両ICのほぼ中間地点に設置され、道路網が一層充実した形だ。

 同スマートICから同市有数の観光地あぶくま洞までは約10キロで、到着時間は船引三春ICを利用する場合と比較して約20分、小野ICと比べて約8分短縮。また、郡山市の医療施設への救急搬送の際の時間短縮や、物流機能の向上を生かした市内工業団地への企業誘致なども見込まれる。

 「スマートICができたことで多くの人に地域に来てもらい、一年を通じた観光振興につながれば」。同スマートIC近くの同市大越町牧野地区でイベントを展開する地域おこし団体「牧野ひまわり会」の佐久間辰一会長は、誘客への"起爆剤"の一つとみる。

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