【数字で見る】「子どもの体力」底上げ急ぐ 運動時間減少が影響

 

 本県では原発事故直後に外遊びが制限され、子どもの体力や運動能力の低下が深刻化した。近年は改善傾向にあるが、同じ県内でも相双・いわきは運動能力が低い傾向があり、避難生活の長期化など生活環境が変化した影響が依然として残っているとみられる。

 毎年小学5年生と中学2年生を対象に実施しているスポーツ庁の全国体力テストによると、本県の子どもの点数は2013(平成25)~14年ごろに特に低迷した。その後は徐々に改善していたが、19年度は中2女子を除き前年度より点数が下がり、1週間当たりの総運動時間も中2女子以外で全国平均を下回った。

 県教委は幼少期に外遊びが制限された影響のほか、スマートフォンなどの利用時間が増え運動時間が減少していると分析。小学生を対象に休み時間などを含め1日60分以上運動したり、体育の授業でスキップなど体力向上に向けた運動を毎回10分程度取り入れたりするなどの指針を示し、底上げを急いでいる。