「London Bridge Is Falling Down!」(ロンドン橋が おっこちる!) ―vol.14

 
作・絵:ピーター・スピア 日本語:谷川俊太郎 吹込:レイチェル・スミス 箱田好子 音楽:谷川賢作 ラボ教育センター(ラボ出版)価格:3,300円

 夜空に天の川が待ち望まれる日が近づいてきました。今月は『London Bridge Is Falling Down!(ロンドン橋がおっこちる!)』をご紹介します。

 みなさんも「ロンドン橋 おちる おちる おちる♪」という歌を一度は耳にしたことがあるでしょう。原曲はマザーグース(英語圏で親しまれているわらべ歌)の「London Bridge Is Falling Down」です。ロンドン橋は、イギリス・ロンドンのテムズ川に架かる実在の橋で、この絵本はその橋にまつわる物語です。言い伝えによると、ロンドン橋は紀元前に古代ローマ人により木造で架けられました。長い歴史のなか、洪水や火事、また戦争により何度も崩壊し、そのたびに架け直されたのです。そのような出来事を歌ったマザーグースが、今でも歌い継がれているのです。

 Build it up with wood and clay,

 wood and clay, wood and clay,

 Build it up with wood and clay,

 My fair Lady.

 ねんどと きとで かけなおす

 ねんどと きとで ねんどと きとで

 ねんどと きとで かけなおす

 きれいなきれいな おひめさま

 "木と粘土で造られた橋は流されてしまいます。それならばということで、鉄と鋼、砂利と石、金と銀......と架け直されますが、鉄と鋼は曲がり、砂利と石は崩れ、金と銀は盗まれたりとアクシデントが続きます。

 そのようなロンドン橋の移り変わりを、アメリカの絵本作家、ピーター・スピアが細部まで描いた楽しい絵本です。日本語は詩人の谷川俊太郎氏によって新しく翻訳され、楽しい効果音も入った音楽は、谷川氏の長男で作曲家の賢作氏が担当。CDには英語と日本語の朗読と、英語の歌が収録されています。

 マザーグースは、日本人には難しい英語のアクセントやリズムを身につけるのに最適の素材で、子どももすぐに歌えることでしょう。イラストや朗読を楽しみながら、歌ってみてください。

 ラボ・パーティ講師 佐藤暁子 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。

2022年7月号・Me&Youより