【TRY・ウェイクサーフィン(上)】五輪で注目 乗るしかない!

 
本番を前に後藤さんからボードの乗り方を学ぶ記者(右)

 日本のメダルラッシュに沸いた東京五輪。アスリートの姿に胸が躍ったが、特に引き込まれたのがサーフィン。これまで全くなじみがなかっただけに、悠々と波に乗り、大技を決める選手の姿が強く心に残った。そんなとき知人から教えてもらったのが、「手軽な」サーフィンとして人気上昇中の「ウェイクサーフィン」。記者がトライした。(喜多方支社・斎藤優樹)

 「初心者にもウェイクサーフィンは楽しいよ」。喜多方市にある熱塩温泉帰郷のお宿ふじやで、マリンスポーツに詳しい安田実さん(46)から教えてもらい、猪苗代湖に向かった。

 ウェイクサーフィンは、ボートで引っ張ってもらった後、ボートがつくる引き波に乗って楽しむ水上スポーツだ。大波を待つ必要がなく、何度も波乗りを楽しめるのが魅力だという。ウェイクサーフィン歴5年以上という安田さんと一緒に訪れたのは、猪苗代町の長浜にある「ウェイクショップS・A・Y」。

 やると言ったものの、不安が尽きない。10年以上にわたり海や湖で泳ぐことがなかったからだ。高校、大学と野球に没頭し、縁が遠かった。「久しぶりの水辺。初心者でもできるのか」。水着に着替えてからも緊張が続いていた。

 そして、同意書にサイン。従業員後藤聡さん(35)が「初心者の方には動画を見ながら説明してます」とこつを教えてくれた。紹介動画ではあおむけになった状態から、スムーズに立ち上がり波に乗る姿が映し出された。

 実際に練習してみる。ポイントは、まずは足元にあるボードを体に引き寄せ、ボードに乗ったら焦らず浮いていき、立つことを我慢することだという。

 レクチャーを終えると、最後にライフジャケットを着用。安田さんとドライバーの宮崎雄人さん(39)と出航した。

 天候に恵まれ、澄み渡る青空の下、ボートを走らせる。湖岸から200メートル離れたくらいで、宮崎さんがボートに器具を準備。後側面に波を作る「ウェイクシェイパー」を取り付けた。

 いざ、本番だ。まずは安田さんが入水し、お手本を見せてくれた。笑顔で波に乗りながら自由自在に技を繰り出す安田さん。「かっこいい。最高です」と叫ぶと、安田さんは小さく手を振ってくれた。そして記者の出番だ。楽しみと不安を抱えながら「はい。よろしくお願いいたします」と叫んだ。

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 ウェイクサーフィン 北米やヨーロッパ、アジアで毎年多くの大会が開かれている。ウエークボードのように、足をボードに固定しない。立ち上がって波に乗った後は、船体からのびているロープを手放す。慣れると、引き波をつくる船の後を波に乗って付いていくこともできる。