磐城桜が丘、亡き恩師へ『感謝の一勝』 愛用のメガホン見守る
18日開幕した福島2020夏季高校野球大会の1回戦で勝利した磐城桜が丘。今は亡き恩師にささげた"感謝の一勝"だった。
恩師との別れは突然訪れた。昨年の秋季大会を終えた直後、当時の野球部監督だった坂本収司さん=当時(45)=が急逝した。
「夏を一緒にがんばろうと意気込んでいたのに無念で...」。主将の高萩翼(3年)は言葉を詰まらせながら当時を振り返る。告別式で部員たちはユニホーム姿で参列。霊柩車の前に一列に並び、大好きな恩師を見送った。
「自ら考え行動すること」。生前、坂本前監督は部員に繰り返し伝えていた。新型コロナウイルス感染症の影響で実戦練習が十分にできない日々に、教え子たちは恩師のアドバイスを思い出し、打撃の強化や自主練習に打ち込んだ。
迎えたこの日の初戦。一塁ベンチには、坂本前監督が愛用していたチームカラーのピンク色のメガホンを置いた。前監督がいつも座っていた定位置だ。部員一丸となって戦い、つかんだ勝利。「きっとベンチに来て、見ててくれたはず」と高萩。次戦も成長した姿を届けるつもりだ。