ふたば未来十回サヨナラ 主将、雨粒切り裂く一打

 
【ふたば未来―福島商】サヨナラ勝ちを決め、喜ぶふたば未来ナイン=いわきグリーンスタジアム

 ◇全国高校野球選手権福島大会・第6日(15日・いわきグリーンスタジアムほか5試合)

 ふたば未来 4―3 福島商

 タイブレークの延長十回1死満塁。スタジアムに大きな雨音が響き渡る中、ふたば未来の主将川島詩音(しおん)(3年)が打席に立った。「自分が決める」。強い気持ちで踏み込み、バットを一閃(いっせん)。雨粒を切り裂く強烈な打球を左前へ飛ばした。その瞬間、両手を挙げたナインが次々とベンチから飛び出していった。

 1回戦の只見戦に続き、この日の2回戦も厳しい戦いとなった。ふたば未来は得点できないまま迎えた九回、突如崩れた相手エースを攻め立て、土壇場で試合を振り出しに戻した。そして、川島の執念の一打につなげた。

 川島は春の県大会で左手首を負傷。今大会への出場が危ぶまれるほどのけがだった。「痛みがあっても絶対に出たい」。悔し涙をながしながら懸命にけがに向き合い、治療を重ねて見事夏に間に合わせた。

 「主将という立場で試合を決める一打を放つことは憧れだった」。困難に打ち勝って大仕事を成し遂げた主将は、興奮を隠しきれない様子で語った。

 チームは2試合連続で接戦を制して勢いに乗る。「一戦必勝で上を目指し、最終的には甲子園に行きたい」。最後は主将らしくチームの目標を力強く語った。(副島湧人)

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