双子バッテリー...信じ合い3年間 日大東北・堀米、涙あふれる

 
悔しさをにじませる日大東北の双子バッテリー、堀米翔太(右)と涼太=ヨーク開成山スタジアム

 あの夏をもう一度―。日大東北のエース堀米涼太(3年)と捕手の堀米翔太(同)の双子バッテリーが17日、ヨーク開成山スタジアム(郡山市)で2度目の甲子園を目指して夏の高校野球福島大会2回戦の郡山商戦に挑んだ。

 弟の涼太と兄の翔太は植田東中時代から本格的にバッテリーを組み、6年間活動してきた。高校1年の夏に甲子園で投げる涼太の姿を、翔太はベンチで見守っていた。「2年前のようにマウンドに翔太を立たせたい」。甲子園でバッテリーを組むという双子の目標が揺るぎないものになった瞬間だった。お互いに何でも言い合える存在で、苦しい時期も共に助け合って乗り越えてきた。

 最後の夏に迎えた2回戦。7回表無死一塁、1―2の劣勢で涼太がマウンドに上がった。「リードの面では任せろ」と翔太。兄のリード通り、最後の打者を空振り三振に抑え、エースの貫禄を見せた。守備から攻撃のリズムをつくり、7回裏の反撃で同点に追い付いた。

 しかし8回表、涼太の渾身の直球がはじき返され、勝ち越しを許した。ピンチの状況でも翔太はマウンドにいる涼太に「次のイニングは俺から(の打順)だから頑張れ」と声をかけた。兄の励ましで弟は悪い流れを断ち切り、9回途中まで計3奪三振と踏ん張った。

 「間違いなく自分の投球が発揮できたのは翔太の力。これまで何度も助けてきてもらった」。あと一歩のところでチームは敗れたが、涼太は相棒への感謝の気持ちにあふれた。涼太はベンチ前で悔し涙を流す翔太と抱き合い、長年の感謝を込めて「ありがとう」を伝えた。双子で追いかけた夏の甲子園はかなわなかったが、二人三脚で歩んだ道のりは決して色あせない。(小幡あみ)

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