郡山、28年ぶり4強入り エース藤田が快投、着実加点

 
【田村―郡山】7回無失点の好投を見せた郡山のエース藤田=あづま球場

 第105回全国高校野球選手権記念福島大会は第12日の22日、あづま球場(福島市)で準々決勝1試合が行われ、第4シードの郡山が第5シードの田村を7―0の七回コールドで下した。郡山は28年ぶりの準決勝進出。第13日の23日はあづま球場で準決勝2試合が行われる。第1試合は午前9時30分から第1シード聖光学院と郡山、第2試合は正午から会津北嶺と第2シード学法石川がそれぞれ対戦する。決勝は25日に同球場で午前11時開始予定。

 梅雨が明け、晴れわたる夏空の下、郡山のエース藤田海斗(3年)は最後の打者を打ち取って小さく拳を握った。28年ぶりの4強入りが決まり、笑顔のナインが駆け寄る。藤田は「挑戦者の気持ちで戦えた。勝ててよかった」と胸をなで下ろした。

 雨天順延を経て迎えた一戦。菅波智之監督は同じ県中地区の田村相手に「エース対決。勝って次につなげろ」と大一番を背番号1に託した。藤田は2回戦後にフォームを修正して手応えをつかんだ低めに伸びる直球を多投。与えた四球は2。ゴロアウトを9個重ねて打たせて取り、守備陣も無失策で支えた。

 試合前に「原点」に立ち返ろうと、入学以来つけている野球日誌を開いた。藤田の原点は昨秋、磐城相手に序盤で大量失点して降板した練習試合だという。以降藤田は、練習に取り組む姿勢を見直した。決戦を前にあの日の経験とその後の努力を思い出し、7回無失点の快投につなげた。

 菅波監督は「目の前の課題に素直に取り組んできた証」と選手のここまでの快進撃に目を細める。「次もより良い投球を」と藤田。日々成長を続けるナインが、31年ぶり2度目の頂を目指す。(南哲哉)

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