MGCで横田30位「いい経験に」 今井は失格「弱さも出た」

 
写真左=2時間14分4秒の30位でフィニッシュする横田、写真右=雨が降りしきる中スタートした今井(中央)

 強い雨が降る過酷な状況の中、15日に東京・国立競技場発着で行われた来年のパリ五輪日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)。福島県勢は、最年少で出場した横田俊吾=JR東日本、学法石川高卒=が2時間14分4秒で30位となり、今井正人=トヨタ自動車九州、原町高卒=は30~35キロ地点でオーバータイムのため失格となった。

 横田、スピードに乗れず

 「30キロ以降は足が動かなかった。実力不足」。横田はレース後、悔しさをにじませた。

 序盤は2位集団に食い込み、虎視眈々(たんたん)と前に出るチャンスを狙い続けた。25キロ過ぎに集団の2、3番手に躍り出たものの「飛び出すタイミングが早かった。前に行って体力を使ってしまった」。29キロ付近で集団のペースが上がったが、ついていくことができず、離されていった。

 2月の別府大分毎日マラソンではレースの最後にスピードを上げ、MGC出場権を獲得した。学法石川高時代にスピードを上げる練習に重きを置いてきたことが生きた形だ。だが、この日はうまくスピードに乗れなかった。「このままではだめだと分かった。失敗していい経験になった」と前を向いた。

 今後は来年3月に予定されている東京マラソンを見据え、さらに走りに磨きをかけるつもりだ。まだ23歳。ここで味わった悔しさをばねに、これからも五輪出場の夢を追い続ける。

 今井、設定タイム及ばず

 勢いよく国立競技場を飛び出した今井が、再び競技場に姿を見せることはなかった。30キロ過ぎに設定されたタイムに間に合わず、失格となり「100%の力を尽くそうとしたが、ゴールにたどり着けず本当に悔しい」と吐露した。

 ベテランならではの経験値の高さもあり、寒さや強い雨はさほど気にならなかったが、右足に不安を抱えたまま、スタートラインに立った。序盤から出遅れ、体が思うように動かない。下位での戦いとなり、軌道修正を図ることもできなかった。「体調のピークを合わせられなかった自分の責任。弱さも出てしまった」

 一時は引退も覚悟したが、進退をかけて挑んだ昨年2月の大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会で6位に入り、今大会の出場権を手にした。39歳、集大成と位置付けたレースを終えた今井は今後について「レースが終わったばかりなので、一呼吸置いてゆっくり時間をかけて考えたい」と話した。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

J2で初の3連勝へ いわきFC、3日千葉と対戦