被ばく、1960年代の平均以下

 

 1950年代以降、数百回以上行われた核実験のため、多くの人工の放射性物質が全世界にばらまかれました。その影響から、当時の日本人の体内や、毎日の食事、排せつした尿中からも放射性セシウムが検出されていたというデータが残っています。


 60年代半ば、日本人成人男子の体内には「平均」して、数百ベクレルの放射性セシウム137が検出されていました。単純に比較すると、2015年現在の南相馬市の内部被ばく検査では、1960年代半ばの平均値(数百ベクレル)を超える成人は全体の1%にも達しません。事故直後の影響が残っていた2011年秋から冬にかけての検査でも、1960年代半ばの平均値を超える成人は、全体の10%前後で、約90%がそれを下回っていました。


 今回の事故で放射線被ばくが起こったことは事実ですが、そのレベルが非常に大きいものではないことはお分かりいただけるのではないでしょうか。